糖尿病患者数は約890万人、糖尿病予備群が約1320万人、高コレステロール血症が約2500万人。
高コレステロール血症における糖尿病、境界型への早期治療介入が今後の重要な課題となっている。
今回の研究の検討に使用した胆汁酸吸着レジンは、元来、高コレステロール血症の治療薬であり、さらに今回の研究によって血糖改善のメカニズムが明らかにされ、血管疾患発症のリスクを低減させる効果的な薬剤と考えられるという。
さらに胆汁酸吸着レジンは、体内に吸収されないため重篤な副作用がない薬剤であり、将来、糖尿病治療薬としての開発も期待される。
その上、薬剤を飲むほどでない健常な人でも、日常の食生活において胆汁酸吸着レジンと同様に胆汁酸吸着作用がある日本古来の食事であるモズクやコンニャクなど食物繊維を含む食材を積極的に食することにより、メタボリックシンドローム発症の予防、日本人の死因の30%である血管疾患発症の抑制、健康寿命の延長による質の高い老後、少子高齢化に伴う医療費削減にも貢献できると考えているとした(画像9)。
胆汁酸吸着レジンを用いたメタボリックシンドローム治療への応用研究を推進すると共に、胆汁酸代謝を調節することによる代謝調節機構のさらなる解明、TGR5を介したGLP-1分泌亢進によるメタボリックシンドローム治療への発展が期待されるという。
また、日本古来の食事であるモズクやコンニャクなど食物繊維摂取によるメタボリックシンドローム発症予防のエビデンスを明確にし、国民の健康増進を啓蒙していきたいと考えていると、渡辺教授らは今後の予定を語っている。
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