日本卓球界初のメダルを獲得となった、ロンドン五輪・卓球女子団体銀メダリストの福原愛、平野早矢香、石川佳純の3選手が会見に臨んだ。(8月14日・外国特派員協会 編集部:田野幸伸)
−銀メダルを獲った瞬間、何を感じましたか?
福原:感無量と言うか、胸がいっぱいでやった!と思ったことしか覚えてないです。頭が真っ白で。
平野:北京オリンピックで韓国に負けてメダルを逃した瞬間から、ロンドンオリンピックのメダルに対して対して4年間、私自身もそうですし、3人・日本のチーム全員がメダル目指してやってきましたので、準決勝を勝った瞬間というのは今までいろいろなことを乗り越えてここまできましたから、乗り越えたという達成感というか、夢だったメダルを実現できて、うれしいし、最高だなって気分になりました。
石川:今まで経験したことが無いくらい嬉しくて、平野さんに抱きついた事しか覚えてないです(笑)シンガポールには1回も勝ったことが無かったので、やった!勝ったんだ!という嬉しい気持ちで、涙が自然と出てきました。
−シンガポールの記者です。
(会場爆笑)
−次のオリンピックへの目標を聞かせてください。
福原:帰ってきて4日しか経っていなくて、連日このように取材が沢山あって、まだそこまで考えられてないのが現状です。毎日、何を食べようと考える時間もないくらいで(笑)なので、まだ卓球のことは考えられていません。
平野:私自身は今回のオリンピックで自分の力を出し切れたという思いがありますので、本当に卓球が大好きですし、まだまだ自分の限界に挑戦できるかなって気持ちが沸いてきているので、次のオリンピックの舞台でプレイしたいという思いがあります。
石川:準決勝でシンガポールに勝てたんですけど、今回勝ったのは本当に初めてだし、シンガポールには強い選手が沢山いて、シンガポール、香港、韓国の強い選手達に次も勝てるようにこれから実力をつけることが今の目標で、中国の選手はもっと強いので、まず距離を縮められるように今から頑張っていこうと思っています。
−福原さん、昔からメディアに注目されてきましたが、いつも優しいわけではなかったと思います。どのようにメディアに対応されてきたのでしょうか? メディアに対するお気持ちは?そして、平野さん、石川さん、メディアに注目される福原さんをみて、どう感じていましたか?
福原:私は、3歳から卓球を始めて、4歳の頃からこうしてメディアの方とたくさんお付き合いをさせていただいてきました。小学生・中学生の頃までは、何も分からないままだったんですけれども、だんだん、高校生くらいのときからは、すごく失礼な言い方かも知れないですけれども、メディアの方は私とファンの方を繋いでくれる大切なお友達という風に考えています。
(場内拍手)
平野:私は愛ちゃんとは、小さい時から一緒に試合に出たりとか、交流があったので、愛ちゃんと(取材の)テレビカメラっていうのはセットであって、今ホントに思うのは、小さい頃からメディアに出ていて、すごいなあって愛ちゃんのことを思ってました。小さい頃からメディアに取り上げられて、TVに沢山出たりしてくれたおかげで、卓球界が盛り上がって、いろんな方に卓球に触れてもらったり見てもらったりする機会が増えて、今の卓球界があるのは、愛ちゃんの頑張りがすごく大きいですし、メディアの方も卓球に興味をもって取り組んでくれたおかげで、私達もみんなに応援してもらって、いい思いをさせてもらったなって思っています。
石川:私は7歳から卓球を始めて、もちろん福原さんの事は知っていたし、いつもTVで見ていて、憧れの存在で、本当にすごいなあっていう気持ちでいっぱいです。
−今回のロンドンオリンピック、点数を付けるとしたら、何点でしょうか?
福原:団体戦の点数は100点満点です。長年の夢だったメダルを、3人で力を合わせて、獲得できましたし、本当に沢山の方々に喜んでいただけたので、内容についても結果につきましても、100点と言って恥ずかしくないと思っています。
シングルスの点数は、90・・・99点です。その理由は、4回戦でカットマンの選手に挽回勝ちをして、勝てたことは大きな自信になりましたし、高点数をつけて大丈夫だと思うんですけど、準々決勝で中国の丁寧選手と試合をしたときの1ゲーム目にデュースになった時、すごく高いチャンスボールをミスしてしまって、あのボールにすごく悔いが残っているので、その1点分です。
平野:私は今回団体のみの出場だったので、団体戦を考えたときに、メダルを獲得できたので、気持と試合の内容は100点なんですが、表彰台に上って、金メダルを見たりとか、中国の国歌を聞いているときに、ここで日本の国歌を聞いて、日本が真ん中で国旗が揚がるところを見てみたいと思ったので、次の日本のチームの目標を考えたときに5点は残しておこうと思うので、95点にします。
石川:まずシングルスは・・・70点です。ベスト4までいけたのはすごく嬉しかったんですけど。準決勝までは満足しています。でも3位決定戦で負けてしまったのは悔しかったですし、まだまだ自分の実力が足りないなって感じたので、これからもっと頑張りたいなって思うので70点です。
団体戦は・・・90点。結果はすごく満足しているし、嬉しかったんですけど、やっぱり決勝は、中国はまだまだ強いなって思ったし、中国との差を肌で感じることが出来たので、もっと頑張りたいなって思いました。
−イギリスの名物は食べましたか?そしてインスピレーションを受けた選手はいましたか?
福原:フィッシュアンドチップスは、移動のときに匂いだけ嗅ぎました(笑)試合があったので、会場へ応援に行くことは出来なかったんですけど、TVを通して、日本人選手の活躍に大きなパワーをもらえました。
平野:私も、街でゆっくり食事する時間が無かったので、残念でした。インスピレーションを受けた選手は、開会式で入場のとき、ジャマイカの次だったので、伝説のウサイン・ボルト選手を初めて生で見て、一生に一度のチャンスだと思って、一緒に写真を撮ってもらいました。
(会場爆笑)
その写真は両親も一番喜んでくれて(笑)一生に一度のチャンスをモノに出来てよかったです。
石川:ロンドンに来た記念に、一度だけフィッシュアンドチップスを食べました。
福原・平野:えーーーーーっ!!
石川:すいません(笑)あと、ロンドンのブランドでキャスキッドソンというブランドがあって、そこのお店でiPadケースを買いました。すいません!!
(いつの間に!?と驚く福原・平野)
石川:二人の先輩には今初めて言いました。フィッシュが美味しかったです。
(いつ、どこで!と壇上で話し始める3人)
通訳:全ての秘密が少しずつ出てきているようです。
(会場大爆笑)
石川:私も、(一番インスピレーションを受けたのは)ボルト選手で、TVでボルト選手の特集を見ていて、才能だけじゃなくてすごいトレーニングをされていて、脊柱側湾症というのも知って、それでも誰より早くて金メダルを2枚も3枚も獲って、すごいなあ・・・と思いました。
−アスリートだけでなく、全ての若者に対してアドバイスを
福原:アドバイスできる立場ではまったくないですが、昨日、卓球を始めて20年が経ちました。毎日少しずつ努力することは、いつか大きな形になるんだなと言うことを実感しました。私達も昨日今日でこうしてメダルが獲れたわけではなくて、沢山の方に支えていただいて、毎日毎日の積み重ねでこうしてメダルを獲ることが出来たので、少しずつでもいいので、自分の好きなことに対して、あきらめないで続けていくことは本当に大事なことだと思います。
平野:今感じていることは、小さかった時TVでオリンピックを見て、夢の世界という感じだったのに、こうやってメダルを獲得することが出来て、多くの人に支えてもらって。小さい頃の私を知っている人は、この表現が分かると思いますけど、こんな私でも、大きな夢を叶えることができるんだって気持ちでいます。これから何かを始めたり、これから成長していく子供たちには、スポーツでも何でもいいので、目標とするものを持って努力していく中に、いろいろ学ぶことがあると思うので、、自分を支えてくれる人に感謝の気持ちを持ちながら、目標に挑戦していってもらいたいです。
石川:今回、オリンピックを戦って、メダルを獲得して、こんなに嬉しくて、こんなに涙が出て、ホントに嬉しいって思うことができて。卓球は大好きなんですけど、楽しいことばかりではないので、大変なこともあるんですけど、でも、夢中になって頑張ってこれたから銀メダル獲れたってのもあるし、一人では頑張れないので、感謝の気持ちを忘れずに、まずは楽しみながら頑張って欲しいです。