ロンドン五輪は男女ともに決勝トーナメントに進出した。女子は今夜ブラジルと対戦するね。

W杯王者である女子は順当とも言えるが、試合内容を見ていると本調子ではないのが気になる。特に澤と宮間の2枚看板のコンディションがあまりよくなさそうに見えるのは僕だけだろうか。ここぞというときには必ずやってくれる選手ではあるけど、不安が残るね。

グループリーグ第3戦で途中から引き分けを狙ったことが議論を呼んでいるようだが、その狙い自体は別段珍しいものではないし、戦略の一つだ。問題は、引き分け狙いというより、ただ単にゴールが奪えなかっただけではないのか、という部分。それから、フランスなり移動距離なり、とにかく何かを避けるというのは、なんだか王者らしくないね。

ドイツW杯を制したときのなでしこジャパンは、もっとアグレッシブで、チャレンジャーだった気がする。金メダルを本気で取りにいくのであれば、相手を怖がる必要なんてないだろう。いずれにしろ、ここからが大変だ。今夜行われる決勝トーナメント1回戦ブラジル戦は正念場だね。

男子は、はっきり言って望外の結果を残している。3戦してグループ1位、それも失点0というのは素晴らしい。前から激しくプレスをかけているから、エネルギーの消耗が心配されるが、バックラインが安定しているのが強みだ。

大会前は散々叩かれ、ほとんどのファンに諦められていたチームが、直前でまとまり、泥臭く勝利をつかんでいく様は、南アフリカW杯のときのA代表に似ている。逆境でこそ一丸となるのは日本の文化だろうか。南アのベスト16を超える、つまり次の試合でエジプトに勝ってこそ、今回のチームは真の評価を得られる。期待したいね。

それにしても、男子はブラジルとやりたくないから1位突破を狙って、女子はブラジルと戦いたいから2位突破を狙った、というのも皮肉なものだ。五輪のような国際大会で、こうした戦略性、冷静さを持って戦えるようになったというのは、日本サッカーの成長を感じる部分ではあるね。