そして3つ目が、やはり『前半戦で10勝を上げたこと』です。同僚のハリソンと、レイズのプライスの11勝に次ぐ勝ち星を記録し、さらに勝率も.667と、エースに値する高い数字を残しています。前半戦と同じペースで勝ち続ければ、日本人初の20勝も夢ではありません。ちなみに新人で20勝を挙げた投手は、1985年のトム・ブラウニング(当時シンシナティ・レッズ)以来、誕生していません。ア・リーグに至っては、1954年のボブ・グリム(当時ニューヨーク・ヤンキース)が最後。もし、ダルビッシュ投手がそのような快挙を達成すれば、全米中が大騒ぎになるのではないでしょうか。
ただ、ダルビッシュ投手にも課題はあります。前半戦を振り返ると、フォアボールの多さが目立ちました。リーグ3位となる53個ものフォアボールを与え、球数は1イニングで平均16.9球も費やしています。これはリーグで8番目に多い数字です。球数が多いと疲労も蓄積しますし、長いイニングも投げられません。アメリカではフォアボールが多いと、エースとして信頼されづらい傾向がありますので、後半戦でそこを改善できるかが、今後の評価を左右するポイントとなるでしょう。
とはいえ、ランキングで上位に入った投手は、いずれもリーグを代表する一流ピッチャーばかり。開幕前は誰も知らなかったダルビッシュ投手の実力は、すでに全米中に知れ渡ったはずです。レンジャーズはワールドシリーズまで見据えているので、ダルビッシュ投手が今後どれだけ投げられるのかがカギとなるでしょう。メジャー1年目のダルビッシュ投手にとってさらなる挑戦となりますが、ぜひとも後半戦も頑張って、素晴らしい成績を残してもらいたいです。
※成績は前半戦終了時
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