ソフトと違って、世界との接点もまるでなかったニュージーランド野球なんですが、WBCの予選導入に伴う参加国増加に伴って、ニュージーランドも招待国に選ばれることが決定。

これをきっかけに、ブラックソックスから野球に転向を表明する選手が出てくるなど、両競技は混乱に陥ります。


(具体的に言えば、競技人口の野球への流入や、ブラックソックスの監督が野球に手を出した選手は代表から締め出す という方針を打ち出したりなど・・)






かつて17歳でブラックスックスに選ばれたトラビス・ウィルソンはその才能を評価され、アトランタブレーブスとマイナー契約。メジャーリーグでのプレーはあと一歩手前で叶いませんでしたが、40人ロースターに名前を連ねました。

おそらく、この国におけるソフトボールの才能が全て野球に流れたとしたら、世界の野球において、オーストラリアのような存在感のある国になるでしょう。

MLBもそれを見越してのサプライズ選出(IBAFランキングはなし)だったんだと思われます。既にウィルソン以外にも、ニュージーランドのソフトボールの若い才能が何人かアメリカに渡っています。

野球に転向を表明したブラックソックスの選手たちは、野球との経済的な規模の違い(ソフトには世界最高峰のニュージーランドにもプロがない)や国際的な野球とソフトの立ち位置の違いなどを理由に述べていて、野球とソフトの両方を知るウィルソンも、将来的にこの国におけるソフトと野球の立場は逆転するだろうと展望しています。

1つのきっかけで一気に動き出したニュージーランド野球。
最も爆発力を蓄えた国は、このWBCを経て最も成長が見える国になるかもしれません。
1つのターニングポイントとも言える今年の秋の戦いは、ニュージーランド野球において最も歴史的な出来事になるのかもしれませんね。

○国内の野球

この国の野球=オークランドの野球 と言い換えてもいいと思います。
クラブの数や水準、競技人口の数で圧倒。毎年2月に行われている全国選手権も2006年から開催されているのですが6大会ともオークランドのチームが制しています。

しっかりリーグ戦を行っていそうなのはオークランド連盟のリーグだけだとか。
そして前述した2月の全国選手権では毎年全国からチームが集まってニュージーランドチャンピオンを決めていまはす。ちなみに今年の参加チーム数は7チームでした。

ここ2大会はホウィック・パクランガというオークランドのチームが2連覇中。
このチームとウェストシテイ・メトロという同じくオークランドのクラブが過去の全国選手権の優勝を独占している状況です。ナショナルチームも、おそらく国内組はこの両チームからほとんど選ばれるでしょう。

○ナショナルチーム

シニアのナショナルチームの活動は見られない。
オーストラリアと他との実力差が圧倒的すぎるので、オセアニア選手権が行われず、従って世界大会への出場権も自動的にオーストラリアが獲得しているのが要因の1つでしょうか。
アマチュアなので、経済的な部分でも国際大会には参加しにくいのもあったと思われます。

ただ越境参戦という形で、オーストラリアの国内選手権(アマチュア)の大会にニュージーランド代表としてちょくちょく参加。2010年大会ではベストメンバーでなかったことを差し引いても、オーストラリアのアマチュアチームに1勝5敗と歯が立たなかったところを見ると、現実はなかなか厳しい。


○予想ロースター(28人)

投手

アンドリュー・マーク ブリスベン(オーストラリア)
サム・ビショップ ウェリントン・セネターズ
ジェームズ・ウィルソン ホウィックパクランガ
アレクサンダー・ドーソン ドーン大(アメリカ)