内閣府の発表によれば、日本での昨年一年間の自殺者数は30,651人で、その内の約7割となる20,955人が男性で、女性は9,696人。実に17分間に一人が自殺している計算になる。その手段は様々だが、過半数が首つり、そして次に多いのが飛び降り自殺だ。

 今月2日午前、東京の六本木交差点付近の8階建てビル屋上で、20代女性による飛び降り自殺騒動が発生。発見者の通報によって現場には消防車や救急車が出動し、その模様は偶然居合わせた野次馬によるTwitterや、自宅警備員による2chまとめサイトでリアルタイムに中継された。女性がビル屋上の“崖っぷち”に立った理由は「彼氏と口論した」とのことだが、発生から約3時間後、警視庁麻布署員らの説得に応じて女性は無事保護。昨年には中国で、飛び降り自殺を図ろうとしていた少年に、通りすがりの少女がキスをして自殺を思いとどまらせるというニュースが報じられたが、自殺を思いとどませる“交渉人”の苦労には計り知れないものがある。

 7月7日より公開となる映画『崖っぷちの男』では、『アバター』でブレイクを果たしたサム・ワーシントン演じるニック・キャシディが、NYのルーズベルト・ホテル21階の客室窓外、地上60m×幅35cmの“崖っぷち”に突如出現し、飛び降り自殺を志願。地上では不謹慎にも落下の瞬間を見逃すまいと野次馬やレポーターたちが詰めかけ、それを整理する警官たちで騒然に。一歩足を踏み外せば、手を滑らせたら、バランスを崩したら…待ち受けるのは死あるのみ。男はなぜ“崖っぷち”に立ち、何を訴え求めるのだろうか?

 現場に駆けつけた刑事に対し、ニックは自らの要求を伝える交渉相手として、女性刑事リディア・マーサーを指名。なぜ自分が選ばれたのかも分からぬまま交渉を開始するリディアだが、彼女は前の任務で飛び降り自殺しようとした若い警官の説得に失敗したことで、心に深い傷を負っていた。

 リディアが所属するNY市警の人質交渉チームの相手は、3つのタイプに分けられる。1つ目はテロリストで、2つめは犯罪者。そして3つめが、ニックのような飛び降り自殺志願者など、市民を混乱させるタイプだ。本作で“崖っぷちの男”と交渉するリディア役を演じたエリザバス・バンクスは、インタビューで自殺志願者を説得する“交渉術”について明かした。



 ニック役を演じたサム・ワーシントンは、実は高所恐怖症であることが明らかになったが、対するエリザバス・バンクスは「高い所は怖くないからわくわくした。アドレナリンが出てきてほんとに楽しかった。」と笑顔を覗かせている。

 本作にちなんで、MOVIE ENTERの特集ページでは“崖っぷち度”診断を実施中。診断結果をツイートしてくれた方には、抽選で1名様にiPad(16GB、ブラック/ホワイトのいずれか)をプレゼント。

『崖っぷちの男』特集