――チャーリーは人間のボクシングで一度は挫折しながらも、どんな形であれロボット格闘技を続けてきた訳ですが、長野さんが5歳から11年間も空手を続けてこられた理由は何ですか?

長野:最初はピアノとか水泳とかダンスとか柔道とか、色々なものを見に行ったり体験で入ったんですけど、空手という格闘技が好きで。勝ち負けがあって、心も強くなるし。スポーツと武道ってやっぱり違うと思うので、そういう武道の魅力に惹かれています。自分が目標としている試合ではまだ優勝できていないんですけど、空手は勝っても生涯続けていく武道なので、やればやるだけ上手くなるし、精神力もどんどん強くなっていくことが自分でも分かるので、ずっと続けていきたいですね。

元々、人前に出るのがあまり得意じゃなかったんですけど、空手は声を出したりしなくちゃいけないので。今では普通に挨拶とか人前でしゃべったり、映画に出演したりも出来るんですけど、空手をやっていなかったら多分、引っ込み思案で人ともあまり話せなかったと思います。これから大人になって大変なこともあると思うんですけど、空手を11年間続けてきて精神力も少しは鍛えられたと思うので、どんなことがあっても、打たれて負けずに、落ち込まずに立ち直って、どんどん前に進んでいきたいです!

――チャーリーは、かつて人間界のボクシングで挫折し、ロボット格闘技の世界で再起を目指しますが、長野さんは今までに挫折して、何かをきっかけに立ち直った経験はありますか?

長野:挫折はもう何回も経験していて、この前も試合で負けたり、上手くいかないと挫折するんですけど、母親が「頑張れ!」と言って励ましてくれたり、友達も応援してくれたり、先生たちもバックアップしてくれているので、そういうのを見ると頑張らなきゃいけないなと思います。『リアル・スティール』のような映画とか、格闘技の試合を観ると「私も勝ちたいな」と思って、すぐに立ち直れますね。

――ゴミ置き場に捨てられていた時代遅れの旧式ロボットのATOMが、最新鋭で高性能なロボットたちを相手に戦いますが、長野さんにとって、古いものだけど今も捨てられずにずっと大切にしているものはありますか?

長野:自分にとって今、一番大切なものは空手で、小さい頃にはめていたグローブとか道着は絶対に捨てずにとっています。私は5歳から空手を始めたんですけど、当時一緒に空手をしていた女の子との写真を今でも飾っていたり、自分が空手を続けてきた証拠となる汚い道着とかでもとっておいて、いつでも見れるようにしています。

――ATOMが強敵相手に勝ち上がって行く姿は観る者を興奮させ、チャーリーとマックスが親子の絆を取り戻して行く姿は感動を与えるかと思いますが、本作の「興奮VS感動 どちらが勝つか」というキーワードに対して、長野さんはどちらが勝っていましたか?

長野:興奮ですね。チャーリーのボクシングの試合と一緒で、最強のロボットである“ゼウス”を相手に、どんなに周りから「勝ち目が無い」と言われていても、諦めずに挑む所とか。私も勝っている時より、押されていたり、負けてから「よし!これからやるぞ」という時の方が興奮しますね。

――では最後に、本作をこれからご覧になる方へ向けて、見所を紹介してもらえますか。

長野:『リアル・スティール』は親子の絆が深まるストーリーで、チャーリーもマックスも離れたくないのに離れ離れになってしまう所とか、二人の寂しそうな表情を観ていてすごくウルッときて、すごく良い話だなと思いました。今まで人と人とが戦う映画はたくさんあっても、ロボットが戦う映画ってあまりないと思うんですよ、しかも実写で! 観る前は“ロボット格闘技”と聞いて「どんな感じだろう?」と思ったんですけど、すごく迫力があって、格闘場の観客と一緒になって盛り上がれるし、瞬きをするのを忘れるくらい迫力に圧倒されてたので、ロボット同士の対決をすごく観て欲しいですね!!


 年齢的にもマックスと近い長野さんにとって、ヒュー・ジャックマン演じるチャーリーは彼女の母親であり、親子の絆を育んできたATOMは“空手”だ。共に戦い、時には敗北や挫折を経験しながらも、それを乗り越え、今後も多くの勝利を分ち合っていくのだろう。戦いの舞台に上がる者には、それを陰で支え続ける家族や友人が存在し、観る者は勝敗の行方に興奮し、生まれるドラマが感動を与える。『リアル・スティール』を観終えた時、あなたの中では“興奮”と“感動”、どちらが勝利を収めているだろうか。

 MOVIE ENTERの特集ページでは、抽選で『リアル・スティール』のブルーレイが当たるTwitter投稿キャンペーンを実施中。ATOMやノイジーボーイ、ゼウスなど5体のロボットの中から、あなたが“最強”だと思うロボットに投票(ツイート)しよう!

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