韓国が「東海」を主張する日本海の呼称問題をめぐり、韓国政府は4月23日にモナコで開催されるIHO(国際水路機関)総会で、日本海の単独表記の阻止に全力を挙げるという。韓国メディアは「日本海と東海の併記は事実上失敗した」とする政府関係者の認識を元に伝えた。

 韓国政府が日本海の「東海」表記を主張したのは、1997年開催のIHO総会からで、今回の総会に向けて「東海」の併記を強く主張したがその主張はIHO実務協議で合意に至らなかった。韓国の政府関係者は第4版『海洋と海の境界』での「東海」の併記は霧散したことを明かし、「最低限日本海の単独表記だけは阻止」「東海表記問題を紛争化すること」を目標に掲げた。

 韓国メディアは同政府関係者の発言を紹介しつつ、東海併記が事実上困難になったため「(政府は)実効性のある外交力の不在」という非難を免れない」と伝えた。

 これまで発刊された第3版まで日本海が単独表記になっていることに関して、韓国メディアは単独表記がされた1929年の第1次総会当時は日本統治下にあり、日本の代表のみ参加していたことを挙げている。また、第2版が発刊された37年も依然として日本統治下にあり、第3版改訂版が議論された1953年第3次総会は朝鮮戦争の時期であったことなどから、実質的に日本海単独表記を訂正できる状況ではなかったとの見方を示している。

 一方、IHO総会の開催を控えて、韓国国営放送のKBSは10日、昨年12月に韓国を出発し、世界の主要都市20カ所を回りながら東海表記をアピールしている5人の大学生の活動を紹介するドキュメンタリーを放送する。(編集担当:金志秀)