『何もかも音楽のせい』
俳優としても活躍するベテランのリッキー・トニャッツィ監督が贈る、心温まる中年の恋愛劇。55歳のジュゼッペには妻と一人娘がいたが、宗教にはまった妻とは冷え切った仲になり、幸せとはいえない結婚生活だった。ジュゼッペを心機一転させようと、親友のナポレオーネは、自身もメンバーである町の合唱団に誘う。そこでジュゼッペは美しくて歌が上手い中年女性のエリザに一目惚れし、合唱団に加わることになる。エリザ役は、ステファニア・サンドレッリ。

『そこにとどまるもの(仮題)』
名作『輝ける青春』のスタッフが再結集し、6時間超にわたってイタリアのある家族の「今」を紡ぎ出す感動作。高校生の息子の突然の死をきっかけに、入院、大学卒業、転勤と、大きな家から両親と3姉弟は一人ずつ去っていき、それぞれが新たな出会いに導かれていく。現代を生きる一組の家族の離別と再生の壮大な物語を通して、今日的な家族とは何なのか、決して変わることのないものとは何なのかが描かれる。今夏、岩波ホール他全国順次公開。

『ローマ法王の休日』
ローマ法王死去。この一大事を受け、新法王選出のためヴァチカンに集まる各国の枢機卿たち。彼らは全員、心の中で必死に祈りを捧げていた。「神様、一生のお願いです。どうか私が選ばれませんように」。そして新法王に選ばれてしまったのが、ダークホースのメルヴィル。彼は大観衆を前に演説をしなければならないが、あまりの緊張からローマの街に逃げ出してしまい…。巨匠モレッティが描く、法王版・ローマの休日。7月、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開。

『シュン・リーと詩人』
中国に残した一人息子をいつか呼び寄せることを胸に秘めつつ、ヴェネチア近くの町、キオッジャの居酒屋で店員として働く移民のシュン・リー。男ばかりの職場と拙い語学力で孤独だったが、スラブ系移民で年配の「詩人」ことベピに出会い、打ち解けていく。詩情が漂うラグーン(潟)の風景とともに、育った環境も年も異なる男女の心の交流を慎ましやかに描いた本作は、昨年のヴェネチア映画祭で称賛された。チャオ・タオがシュン・リー役を好演。今冬公開予定。

 岡本太郎もイタリア映画の魅力について「個々の作品が映し出すごく個人的でしばしば寓意的な人生のヴィジョンで、観る者はそこでしか味わえない世界に踏み入れ、しかし分け入るのは必ずしも容易ではないことも、その代わり奇跡のような瞬間に出会えることも稀ではない。」と語っていた。

 そんなイタリア映画を存分に楽しめる絶好の機会。GWは、「イタリア映画祭」に足を運んでみよう。

 「イタリア映画祭2012」は、4月28日(土)から 5月4日(金・祝)まで有楽町朝日ホールなどで開催。


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