中国・重慶市の売春組織の主犯格だった女に7日、死刑が執行された。王紫綺元死刑囚は、1994年から2009年まで重慶市内の美容サロンや有名ホテルで管理売春を行っていた組織のトップとして、昨年死刑判決が下っていた。このほど最高人民法院(最高裁に相当)が判決を支持して死刑が確定、執行された。事件には重慶市の元高官も関わっていた。中国新聞社などが7日伝えた。
記事によると、王元死刑囚は1994年から2009年の間、仲間20人余りと共謀し、大勢の女性を誘拐して監禁し、重慶市内の美容サロンや茶楼、有名ホテルで売春を強制していた。徐々に組織を作り上げ、摘発を免れるため、取り締まりを担当する同市の高官に賄賂を送っていた。
地元紙・重慶商報などによると、王元死刑囚らの管理下で売春を強制された女性は2000人以上。命令に従わないと殴られたり、数日間食事を与えられなかった。検察によると被害女性のうち19人が重軽傷を負い、7人が現在も行方不明という。組織は管理売春により合計1億元(約12億円)を稼いでいたとされる。
重慶市第5中級人民法院(地裁)は2010年8月、犯罪組織の結成や管理売春、監禁、贈賄などの罪で王元死刑囚に死刑の一審判決を下した。中国で売春の強制により死刑判決が下されたのはこれが初めて。2審の重慶市高級人民法院(高裁)、最高人民法院とも1審判決を支持したことで死刑が確定し、7日に王元死刑囚と組織のメンバー1人に死刑が執行された。
王元死刑囚は、収賄罪などですでに死刑執行された文強・元重慶市司法局長(兼同市公安局常務副局長)の愛人だったと噂されている。また重慶市公安局の元治安総隊長が王元死刑囚から1万9000元(約23万円)の賄賂などを受け取っていたことが判明している。(編集担当:阪本佳代)
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