10月5日、富士フィルムがレンズ交換式のミラーレス・デジタルカメラを2012年春に製品化すると発表した。現在、レンズ交換式デジカメの販売シェアの約40%を占めるミラーレス市場に参入することで、新たな利用者層の取り込みを狙う。

 すでにパナソニック、オリンパス、ソニー、ペンタックス、ニコンと大手メーカーがしのぎを削るミラーレス市場。富士フィルムの参戦により、さらなる競争の激化が予想される。

 だが、そもそもミラーレスカメラはコンパクトデジカメより高価で、これまで一眼レフを利用していたようなユーザーがターゲット。それがどうしてここまで人気になっているのか。毎年、写真展を開催するなど写真家としての顔も持つフォークシンガー、なぎら健壱氏がこう語る。

「簡単な操作で、デジイチ(デジタル一眼レフカメラ)ライクにパシッと被写体を押さえられることですかね。デジイチでなければできなかったレンズの味(特徴)を生かした描写や、素早いフォーカス(ピントが合う)が可能なので、『ココ!』というベストショットを逃さず撮れるんです」

 プロが使うようなデジイチと、誰でも気軽に撮れるコンデジ(コンパクトデジカメ)の“いいとこ取り”をしたのがミラーレスカメラということ。この基本的性能の高さだけでなく、本体に搭載されたアートフィルター(写真を加工する機能)の多彩さも魅力のひとつだという。

「(フィルターを使えば)誰でもアーティスティックな写真がつくれる。なんてことない日常の風景も、オリンパスの“ラフモノクローム”を使うと、森山大道さんのような印象に深く残る一枚に仕上がったり。テクニックや経験がなくても雰囲気ある写真が撮れるなんて楽しいよね」(なぎら氏)

 さらに、ストラップやケース、フィルターといったアクセサリー類も充実。ファッションに応じて使い分けができることから、これまで一眼レフカメラを敬遠しがちだった女子の支持も得た。カメラの市場動向に詳しく、専門誌でレビューなども担当する写真家、赤城耕一氏によれば、「コンパクトで操作が簡単なのにもかかわらず、高画質な写真が撮れる。しかも、デザイン性や豊富なバリエーションも楽しめる。これが写真に興味を持った若い女性などに受け、新たな購買層を開拓した」のだという。

 本格的な機能性とファッショナブルなデザイン性を両立し、ライトなカメラユーザーにも支持されたミラーレスカメラ。まさにユーザーは、こんなカメラを待っていたのである。

(取材/山崎真由子、写真/山形健司)

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