■万吉:
なんだよ、「まあねえ…」ばかりだな(笑)。悩ましい物言いだが、何か大きな問題でもあるのか?

★珍蔵:
まあねえ…いや、失礼。

大きな問題ではないのだけど、駒野とか今野、長谷部や遠藤といった選手はいつまで代表に出るのかな、と、この試合を見てふと考えてしまったんだよ。

特に遠藤などは2014年のブラジル大会の時には年齢的には難しくなっているはずだ。今回の試合の後半に大きく若手に入れ替えたわけだが、バタついてチームになっていなかった。もちろんJリ―グでザッケローニ監督のお眼鏡にかなったハイレベルな選手が選ばれているわけで、その理由を一言でいえば代表慣れしていない、代表のチームで何度も本戦を戦っていない事から来るものだろう。

ザッケローニ監督は少しずつ若返りを図るつもりなのだろうが、最近新たにフィットした選手は清武しかいない。中盤の要所など、いっそのことドラスティックに若返りを図った方がブラジルW杯に向けては良い結果になるのではないかな、などと思ったんだよ。もちろん、かなりの間痛みを伴ってしまう改革だが。

■万吉
それは大きな問題だよ。

野球でも世代交代は大きなテーマだ。9人のレギュラーのうち2人がベテラン、5人が中堅、2人が新戦力といった感じで回り、各世代ごとに柱的存在がいるのが理想なのだろうが、なかなかそう理想通りにはいかない。主力に同世代が揃い、同じ時期に一斉に力が落ちてしまうとチームは崩壊してしまう。まあ何のスポーツもそうなのかもしれないが。

★珍蔵:
まあねえ…。

■万吉:
!…。ところでベトナムの話に戻るが、実際のベトナム戦争では圧倒的な物量を誇る地上最強のアメリカ軍をゲリラ戦主体で追い出してしまったのだからベトナム人の粘り強い国民性は凄いものだと思う。ベトコン(南ベトナム民族解放戦線)が作ったクチの地下道は象徴的だ。蟻の巣のような総延長200キロもの地下通路を掘ってゲリラの拠点とした。周辺には数々のトラップが仕掛けられトンネルの中には病院まであった。

そのような組織的なゲリラ戦闘に長けた民族だから、経済成長著しいベトナムはサッカーでも世界中をあっといわせる様になるかもしれない。なにしろ日本人みたいに勤勉らしいよ、彼らは。

★珍蔵:
そうだな。アジアの経済力が向上するにつれ、各国ともサッカーに力を入れてくるのだろうな。自国を世界中に認知させるにはサッカーで強くなるのが一番だ。

さしずめ5億の人口があり高度経済成長を続けるインドなどは、サッカーに本腰を入れたら強くなりそうだ。ヨガの訓練を受けた驚異的な身体の柔らかさを持ち、数学が天才的に出来る凄い選手が出て来るかも知れない。日本も安閑としてられないな。まあヨガや数学の達人がサッカーでもすごいとは限らんが。