最後には、流動性という事ですね。ボランチの扇原や山村や山口という選手が2列目や最前線を追い越して前に行く、という事もほとんど無ければ、前の4枚が流れの中でポジションを入れ替わってプレーするという事も少なかったので、それも攻撃が単調化してしまっていた原因だったように思います。要するに、連動性が無かった、という事ではありませんが、意外性は無かった、という事ですね。やはり、相手の予想外の攻撃をしないと、なかなか得点は奪えないかなと思います。

後半14分に永井が入ってから、長めのパスで裏を狙うような攻撃が出て来たり、永井がサイドに流れてボールを引き出す動きをしていたので、そこからは少し攻撃に変化が生まれて来て、後半32分には、中央の清武→PA内の右に開いた永井→ゴール前に入ってきた山崎、という攻撃で2点目を奪う事が出来ました。DFラインの裏、流れの中でのポジションの流動性、という事ですよね。それが出来れば、マレーシア相手ならば簡単に得点を奪える、という事を象徴したような得点だったと思います。

と言う事で、スコア「2−0」、勝つには勝ったUー22日本代表でしたが、課題は山積、という感じの試合でした。終盤、体力的にかなり厳しくなっていたような選手が何人かいた、という部分については、Jリーグの真っ最中で、しかもシーズンの終盤に入ってきていますし、また、清武の場合はフル代表とACLの試合も戦ってきましたから、そこは仕方無い部分もあるかなと思っています。

Uー22日本代表は、強化のための時間が多く取れない、という事はありますが、しかし、ベースとなる部分はフル代表と共有している、という事もあって、そこの部分はもう作り上げる必要は無いので、後は、個々の選手が、前述したような部分を改善出来るか、ロンドン五輪までにレベルアップ出来るか、という事だけだと思っています。そのためにも、フル代表の方に、このUー22代表の選手をどんどん呼ぶ、という事をやれれば良いなと思いますね。