アニメーターで演出家の梅津泰臣による1998年の成人向けアニメ「カイト」が、映画『ファイナル・デッドサーキット 3D』などのデヴィッド・R・エリス監督によって、ハリウッドで実写化されるとバラエティが報じた。

 「カイト」は、自分の両親を殺害した刑事に復讐するため、刑事の性の奴隷となりながら、暗殺者として手ほどきを受ける女子高生・砂羽が、同じ世界に生きる少年と出会い心を通わせたことで、殺し屋のおきてと愛情のはざまで苦悩するという物語。1983年の「幻魔大戦」、近年は「テガミバチ REVERSE」などで活躍する梅津泰臣が原案・脚本・キャラクターデザインなどを務めたオリジナルアニメーションで、日本が舞台にもかかわらず、欧米のような無国籍な世界観を持ち、ハイクオリティーなバイオレンス描写などがハリウッドで高い評価を受けた。

 メガホンを取るのは、アニマルパニックホラー『シャーク・ナイト・3D(原題) / Shark Night 3D』が先週末から全米公開されたデヴィッド・R・エリス監督。映画版は、成人向け描写などをカットした、海外向けバージョンを基に製作されることになりそう。キャストなどは決定していないが、撮影は来年1月にも開始される予定とのこと。梅津の大ファンだというエリス監督は、「『カイト』の素晴らしい世界を、劇場のスクリーンに持ち込めることを、光栄に思っているよ」と語っているという。

 製作は、日本映画『回路』、『女優霊』ハリウッド版の製作や脚本を務めたアナント・シンとブライアン・コックスによる製作会社ディスタント・ホライゾンが手掛ける。映画『セルラー』や『スネーク・フライト』などB級テイスト全開の作品を送り出しているエリス監督が、本作をどのようなアクション映画として仕上げるのか、興味深いところだ。(編集部・入倉功一)

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