第3回沖縄国際映画祭は、新たに「地域発信型プロジェクト」を創設した。地域の協力を得て7作品の「地域発信型映画」が完成。また、全国から“地元愛”をテーマにCMの企画を募った「JIMOTO CM COMPETITION」では、企画選考後、10作品の撮影が実現した。映画祭期間中のイベントでグランプリを決定し、47都道府県に因んだ賞金47万円を贈るほか、グランプリに輝いた作品は民放地上波で実際にオンエアされる。
■地域発信型映画一覧
『ソラからジェシカ』(千葉県成田市)
父の経営する落花生工場で働く毅は、無口で女っ気のない男。折からの人手不足のため、力仕事のできる外国人労働者を迎え入れることになったが、やってきたのは看護師を目指して日本を訪れたペルー人女性、ジェシカ。人づき合いの悪い毅だったがある事件をきっかけにふたりの仲は急速に接近するも――。
成田の落花生工場を舞台に描かれる、寡黙な男とペルー人女性の心の触れ合い。
『雪の中のしろうさぎ』(新潟県十日町市 )
地域を芸術で盛り上げたいという新潟県十日町市の有志メンバーの要請でやって来た世界的芸術家の山田太郎。しかし、山田のキャンバスには何も描かれてなく、描いたのは、赤い点2つだけ。山田いわく「雪の中のしろうさぎ」とのこと。実は、山田は、絵を描くパフォーマンスをする「エアードローイング」世界選手権の優勝者だったのだ。
『ほしのふるまち』(富山県)
「ジャストミート」「冬物語」で知られる青春漫画の巨匠、原秀則の人気漫画「ほしのふるまち」が、ついに実写映画化!東京の進学校で留年が決まった堤恒太郎は、遠い親戚が暮らす富山県の高校に転校することになった。「俺は一生、輝くことはないんだろう」と傷つき落ち込む恒太郎。だが、地元の少女・渚との出会いが恒太郎の"明日"を少しずつ変え始める――。
『とんねるらんでぶー』(静岡県三ヶ日町)
退屈な田舎町(三ヶ日町)から早く出て行きたくて仕方がない咲子は、歌うことが大好きな女子高生。実家がみかん農家であることもあり、今年の町民祭では農協バンドとともに「みかんの歌」 を歌うことになっているのだが、自分の夢からは程遠い現実に苛立ちを隠せない。夢へと向かう象徴であるトンネルを抜け、向こう側へと出ようと走り出す咲子が見たもの、そして出会ったものとは――。
『謝謝OSAKA』(大阪府大阪市)
中国人学生のシューインは写真を片手に、ある場所を探していたが、ふとした拍子に写真が風に飛ばされて困っていた。一方、杉田小春は、撮影するモデルがドタキャン、急遽モデル探すことになり困っていた。代役でシューインがモデルとなり無事撮影が終了。そして、2人はシューインが行きたい「その場所」を探すことに――。
『ホルモン女』(岡山県津山市)
2005年、国体が開催される津山市役所では、選手たちをもてなす郷土料理の試食会が行われていた。しかしどれも幹部の反応はイマイチで、選定してきた観光課の刑部と坂井は、非難を浴びる。お好み焼き屋で酒を飲みながら愚痴っていた坂井は、男たちが変わった焼うどんを食べているのに気付いて――。
『一粒の種 〜真太陽の島の大合唱〜』(沖縄県宮古島市)
"一粒の種になりたい"“―ある末期患者の残した言葉をもとに、担当看護婦だった宮古島出身の高橋尚子さんと同郷のミュージシャン・下地勇さんがある曲を作った。その曲は、同じく宮古島出身の歌手、砂川恵理歌によって全国へ届けられ、大切な人を失った多くの人々の心に寄り添い広がっていく。
この他にも、たくさんの特別上映も行われる。第3回沖縄国際映画祭は、3月18日から27日の日程で沖縄コンベンションセンターなどで実施される。
■関連リンク
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