投資調査会社A・ゲーリー・シリングのシリング氏はこのほど、「中国経済は2012年に『ハードランディング』することでバブルがはじけ、世界経済が衰退する可能性がある」との見解を示した。環球時報が報じた。

 シリング氏は2日、ニューヨークで行われた「ブルームバーグ中国投資戦略会議」席上で、「中国は依然として輸出がけん引する経済モデルで、これまでの輸出の勢いはすでに収束しつつある。中国経済の『ハードランディング』は商品バブルの崩壊(はれつ)を招く」との見解を示した。

 報道によると、シリング氏の指摘する『ハードランディング』とは、中国の国内総生産(GDP)の成長率が6%に落ち込んだ状態を指し、それにより鉄鉱石・アルミ・銅の需要が落ち込み、最終的には農産物の販売額も減少したうえで、豪ドル・米ドル・カナダドルなどの通貨にもその影響が及ぶという。

 2011年の中国の経済成長率は9.5%増が見込まれているが、シリング氏は「中国は多くの生産過剰を抱えているが、米国経済が収縮することで中国の打つ手はなくなる。経済の方向を定め直すことには困難が伴い、厳しい展開となるだろう」と主張した。

 記事は、シリング氏の過去の予測的中率は100%ではないと主張し、「シリング氏はかつてメリルリンチの首席エコノミストだったが、2009年末にはS&P500指数が500にまで下落し、米国債はリスク回避のため高騰を続けると予測したが、実際には予測の約2倍の1115ポイントで取引を終了した」と報じた。(編集担当:畠山栄)



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