ヨルダン戦を受けてザックが改善点にあげたプレースピードは、必ずしも上がってきていない。チームと個人の走行距離も、南アW杯の水準に達していない。北朝鮮対ＵＡＥ戦のリャン・ヨンギ（仙台）は12キロ近い走行距離を記録し、彼とダブルボランチを組んだアン・ヨンハ（柏）も11.7キロ強を走破した。ひるがえってシリア戦の日本は、松井の10.1キロが最長である。ヨルダンとシリアがしっかりと守備ブロックを築いてきたとはいえ、攻撃力が爆発しないのは活動量の少なさにも起因している。

「（ヨルダン戦に比べて）プレーもたくさん良くなったところはあるけど、一番はメンタル。一人ひとりが危機感を持って国を背負う責任を持って戦った」と遠藤は話す。シリア戦はメンタルの強さで乗り切れたが、トーナメントではそうもいかない。フィジカルコンディションをさらに上げていきながら、サウジアラビアを仕留めることができるのか。決勝トーナメントを見据える意味でも、17日のゲームでは爽快感を運んでくれるゲームを望みたい。そして、その可能性は十分にある。

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