「過去最低」の8位で今季グランプリ(GP)シリーズ開幕戦を終えたフィギュアスケートの浅田真央選手(20)が、テレビ番組で姉の舞選手(22)に敗戦から一夜明けた思いを語った。

   「真央ボロボロ8位」(読売新聞)、「真央ミス連発8位」(毎日新聞)、「真央涙目」(サンケイスポーツ)――。GP第1戦NHK杯の女子フリー・総合の結果を報じた2010年10月24日付の朝刊各紙には、こうした厳しい見出しが並んだ。

「気持ちと滑りが全然合ってなくて」

   浅田選手は、ショートプログラムでもフリーでもジャンプでミスを連発した。フリーの7つのジャンプ要素で跳べたのは2回のみだ。「完璧な成功は1回だけ」とするマスコミもある。転倒シーンも目についた。

   「気持ちはいってたけど、気持ちと滑りが全然合ってなくて……」。真央選手は、インタビュアー役の姉・舞さんにこう打ち明けた。2010年10月25日朝放送の情報番組「スーパーモーニング」(テレビ朝日系)で、試合翌日の24日に行ったインタビュー映像が放送された。

   相手が姉ということもあり安心しているのか、真央選手の表情は、演技直後のうつろで涙目に見えたときよりはリラックスしているようだ。

   「いつもとは違う何かがあったっていうこと?」と、真央選手らしからぬ「惨敗」を心配する舞さんの質問に、真央選手は「(練習段階で)完成まではほど遠い」状態だったと説明した。

   ジャンプを「1からやり直して」いる途上だという。その新ジャンプが単独では安定してきており、「次は(流れの中で)通しでしっかりできる」のが課題だ。そのためには「もうちょっと時間が必要」だそうだ。練習の段階で完成度が低かったせいか、今回の8位という結果には、「やっぱりこんな感じか」と驚きはないようだ。

   「理想はいつのジャンプ?」との質問には、「2005年の(GP)ファイナルあたりかな」と答えた。「昔のジャンプをもう1回蘇らせる」つもりのようだ。

   すでに気持ちは切り替わり、「次の試合に向けた練習のことを考えている」と前向きなところを見せた。

ルール変更やコーチ交代の影響は?

   フィギュアスケートは今季からルールが大きく変わった。真央選手が得意の「トリプルアクセル」など難易度の高いジャンプの基礎点が高くなり、回転不足によるミスの減点幅は軽減された。事前の報道では、今回のルール変更は真央選手に「追い風」と報じるところもあった。

   一方で真央選手は1年間で3人もコーチが替わり、佐藤信夫・現コーチが決まったのは、わずか1か月強前の9月上旬だ。これまでの練習体制は安定していたとは言い難いようだ。

   順位だけでなく得点でも真央選手にとって「シニア国際大会で自己最低」となった今回のGP初戦。今季GPは、ライバルのキム・ヨナ選手(韓国)が出場しないこともあってか、真央選手を巡る話題の盛り上がりはさほどでもないようだ。ネット上では「まだ初戦なのでわからない」という擁護論や「引退した方がいい」との厳しい意見が入り交じっている。

   スパモニのスタジオ陣は楽観的だった。コメンテーターの田中喜代重弁護士は、初戦の結果だけで「言い過ぎだ」と、懸念の声が相次いでいることを批判し、「もう少し長期的な目で(みるべきだ)」と訴えていた。司会の赤江珠緒さんも「(真央選手の)目標は(2014年のソチ)オリンピックなんですよね」と、あせる必要はないとの見方を示した。

   真央選手のGP次戦はフランス杯(11月末)の予定。それまでに真央選手はどんな変化を見せるのだろうか。

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