FW本田 7.5 特に終盤、存在感を発揮。技巧のみならず、身体の強さ、迫力を最後まで見せつけた。つい半年前まで、スタメン選手ではなかったことは信じられない話だ。
FW 松井 6.5 技巧で相手をかき回した。韓国にはいないタイプだけに効果はあった。願わくば、欲しいのは得点力。隙あらばシュート。これがあればもうワンランク上に行ける。
FW 香川 5 アルゼンチン戦同様、後半になると消えた。
FW 前田 5.5 シュートゼロに終わったが、合格点は十分に与えられる。一皮むけた感じだ。

※交替選手
DF 内田 4.5 ザッケローニは「松井と内田の右サイドの攻撃は良かった」とコメントしたが、僕的には内田のデキは不満足。下がりすぎ。弱気。迫力不足も目立った。長友を右で使いたくなる理由でもある。奮起を期待したい。
MF 細貝 5 可もなく不可もなく。無難にこなしたが、何かを示したわけでもなかった。
FW 金崎 5.5 関口同様、ザッケローニ系のサッカーには欠かせないタイプの選手。それでいて日本には数少ないタイプの選手。伸びてもらうしかない。
MF 中村 5 ゲームに馴染めなかった感あり。

※監督 ザッケローニ 7
サッカーは監督で変わる。何年か前、そうした原稿を書いたら、激しく反論された記憶がある。「監督だけが悪いわけじゃない」。「プレイするのは選手なんだから選手が頑張るしかない」。南アワールドカップ前にも、元代表選手がテレビで、「勝ちたい気持ちが足りない」と、選手の気合い不足を嘆いていた。

懐かしい話に聞こえる。サッカーは監督で変わるのだ。サッカーゲームの進め方次第で、劇的に変身する。理屈を語る前に、精神論を持ち出そうとするこれまでの体質が、これで消えてくれることを願うばかりだ。

ザッケローニのサッカー、すなわち、弱者の論理に基づく攻撃サッカーは、正直言って僕好み。それはすなわち、サイドを有効に使ったプレッシングサッカーなのだけれど、ザッケローニは「10キロ走るところを12キロ走れ」「それが90分持たなければ世界では勝てない」とは言っていない。「走れ!」とも言っていない。でも選手は走っているし、90分持っている。監督の設定がしっかりしているからだ。理屈が明確だから、足が動くのだ。

とりわけ日本の指導者は、テレビ画面越しではなく、実際にスタンドに足を運んでそのサッカーを見るべきだと思う。俯瞰で見れば一目瞭然。イメージは掴めるはず。指導に役立てて欲しいものだ。

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