■ 昨シーズンの採点

キッカー誌のすごいところは、過去の採点がすべて見られるということである。ということで、2009-2010シーズンの採点を見てみると、1位はオランダ代表のFWロッベンで「2.48」。2位のレバークーゼンのトニー・クロスが「2.78」であることを考えると、ダントツの数字である。「1.0」が3試合、「1.5」が2試合というのも素晴らしい。改めて、W杯のグループリーグの対戦でFWロッベンがいなかったことがどれだけ幸運だったかを感じさせる。

ざっと見ていくと、2点台の選手も少なくて16人だけ。ドイツ代表でブレーメンのMFエジルが「3.35」で58位、W杯の得点王でバイエルンのトマス・ミュラーが「3.28」で54位。ともに期待の若手でW杯でも鮮烈な輝きを放った選手であるが、それほど高い評価というわけではなかった。MFサヒンは「3.20」で42位となっている。

■ 過去の日本人

今度はブンデスリーガに所属した経験を持つ日本人選手を見てみる。

近年でもっとも成功したといえるのがFW高原直泰であるが、2002-2003 → 3.71、2003-2004 → 4.16、2004-2005 → 3.94、2005-2006 → 4.28、2006-2007 → 3.88、2007-2008 → 4.33という成績。30試合で11ゴールを挙げた2006-2007シーズンが最高評価である。ドイツ代表のGKカーンからブンデス初ゴールを決めた試合は「3.5」、フランクフルト時代にビーレフェルト戦でハットトリックを決めた試合が「1.0」となっている。

ボーフムに所属したMF小野伸二は、2007-2008 → 4.07、2008-2009 → 3.88、2009-2010 → 4.25。移籍後の初戦のブレーメン戦で2アシストのデビューを飾ったが、その試合は残念ながら「採点なし」となっている。

ヴォルフスブルクのMF長谷部誠は、2007−2008 → 3.53、2008-2009 → 3.92、2009-2010 → 3.75と安定した数字。FW大久保嘉人は2008-2009 → 5.00に終わっている。ただ、途中出場がほとんどで評価点が付いたのは1試合のみだった。また、フランクフルトでプレーしたMF稲本潤一は、2007-2008 → 3.64、2008-2009 → 3.94。それほど悪くない数字である。

■ 奥寺さん

最後はレジェンドの登場。東洋のコンピューターと呼ばれた奥寺康彦さん。1FCケルン、ブレーメンといった強豪クラブでプレーし、ブンデスリーガの1部で234試合で26ゴール。ストライカーのFW高原直泰が135試合で25ゴールであることを考えると、ゴール数も非常に多い。

その成績は、1977-1978 → 3.33、1978-1979 → 3.61、1979-1980 → 3.28、1980-1981 → 5.00、1981-1982 → 2.93、1982-1983 → 3.00、1983-1984 → 3.50、1984-1985 → 3.24、1985-1986 → 3.16。傾向として、昔の採点の方が低め(=数字が小さくなる)になっているが、それでも素晴らしい評価のシーズンが続いている。特に1982-1983シーズンの2.93は圧巻である。

この偉大な先輩に、現在、ドイツでプレーする4人はどこまで迫れるだろうか?

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