27日に行われた南アフリカ・ワールドカップ(W杯)の決勝トーナメント1回戦で、ガーナに1−2と敗北を喫し、ベスト8進出を逃したアメリカ。メディアからは批判の声を浴びせられているが、一方で著名人のサポーターからは賛辞が送られた。

NFLのスター選手であるレジー・ブッシュは、自らのツイッターの中で、「アメリカが負けるのを見るのはつらかった。だがいずれにしても、彼らはよくやったよ! 次は彼らを倒そうぜ!」とコメント。NBAからもルディ・ゲイが「オレは自分の国を誇りに思う」、クリス・ボッシュが「いずれにしても、アメリカのサッカーを誇りに思う。彼らはよく国を代表してくれた」と賛辞が届けられた。

数年前まではアメリカサッカー界最高のタレントの一人と言われながら、今回は代表に選ばれなかったフレディ・アドゥも、「代表の仲間たちは素晴らしい瞬間をプレゼントしてくれた。みんな、よくやったよ!」と健闘を称えている。

いずれにしても、ガーナ戦はアメリカの終戦になるとともに、同国でサッカーの人気が高まっていることの裏付けともなった。スタジアムにはコービー・ブライアントやミック・ジャガーといったスターたちが訪れ、さらにビル・クリントン元大統領もアメリカのユニフォームを着てまで応援している。

『ヤフー・スポーツ』は「ランドン・ドノヴァンとその仲間たちは、伝統的にサッカーに対してアレルギーを持つアメリカ国民の心を2週間でつかんだ。彼らはアメリカ国民に試合を見させ、驚くことに熱狂させるとともに、また見たいと思わせたのだ」と報じている。

アメリカのサッカーに対する情熱は、時差にもかかわらずテレビ放送が成功したことにも表れており、『ESPN』がグループリーグの間に行ったアンケートによると、国民はNBAファイナルの第7戦よりもW杯により関心があることが分かった。

いずれにしても、アメリカではさらなる動きが見られている。2018年と22年のW杯招致に立候補しており、組織委員会にはクリントン元大統領やブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツネッガー州知事らが名を連ねている。アメリカは、サッカーをも手に入れたいと望んでいるのだ。