インタビュー：セレクトショップ「M′S STYLE」の代表・ひがし紀子「お客様を彩る人生の一部でありたい」

――ネットでの販売はうまくいくと信じて疑わなかったようですね？

ひがし：いいえ。ネットでは、販売をするという事よりも、自分のM'Sの世界観を発信したかったのです。うまくいく！　なんて思っていませんでした。でも、M'Sの世界観をリアル店舗では6坪でしか見せることはできないけど、ネットだと100坪でも1000坪でも、無限大に伝える事ができると思い疑わなかったというのが、正解かな。

なので、最初の6カ月は何も売れませんでした。「これは、売れない癖がついちゃうな。」と思って、リアル店舗で抜群に売れていた“アライブホワイト”という健康食品を、ネットでしか購入できないようにしたんです。リアルのお客様にも頼み込んで、ネットでオーダーを入れてもらい、商品は、店舗まで取りに来てもらったりしたんです。「あり得ないですよね（笑）。」そして、初めて未知のお客様のお名前でのオーダーには驚いて、「誰？知らない人だ！！」って真剣に思いました。

――その最初のお客様とは、それからも良い関係が続いているらしいですね。

ひがし：実は、商品を自分で梱包して送ったのですが、中身を間違えてしまって･･･。本当に心から謝りました。「今すぐご注文の品をお持ちします。ごめんなさい。」とお話した時に、お客様は「あの対応で、ひがしさんはきっといい人なんだな。この人に一生付いていこうって思ったのよ。」と、しばらくしてから伝えられて嬉しかったです。最高の気分でしたね。

お仕事とは、自分の一生懸命を裏切らない人生最高の指標だと思うんです。自分の業界で言うなら、服を作る人がいて、提案する店があって、お客様がいる三位一体なんです。誰が一番偉というのがないという、絶妙なバランスで関係を保つ事が大事なんだと思っています。

――何事も、ストーリーやバランスは大事ですよね。

ひがし：そうですね。素敵な実話があるのですが、お子さんの入学式にお子さんが「ママこのお洋服を着て入学式に来て！」と、うちのお洋服を指定してくれて、オーダーが入ってきたのですが、入荷予定がギリギリ間に合わないかもという状況でした。やっぱり、このままだと、入学式の日にお届けできそうもなかったので、私が、彼女に直接持っていこうと思っていたのです。でも、それよりも先に、営業の男の子がちゃんとそのお客様のもとへ運んでくれちゃいました。それで、お客様は感動で号泣してくれたそうです。入学式後、お礼と共にお写真をいただき、また感動しましたね。

――一生懸命さが、伝わるのですね！

ひがし：キーワードは、「ハート」ですね。心を込めて一生懸命にやる。“頑張る”事は、かっこいいですよね。自分自身のビジョンを立てて、がむしゃらに頑張ると沢山の経験が積み重ねられて、その中に感動や挫折、そして達成があります。その繰り返しこそが強い自分を作る事、強く優しい人間に成長出来る事です。そして、それは周りの皆までを幸せにできる最高のお仕事ができた！　という証で、自分自身のモチベーションになりますね。

――常に目標に向かってがむしゃらに頑張っているからこその成功なのですね！

ひがし：だと思います。自分が今、成功しているのかは、わかりません。数字は信じられないほどの結果が出せるようになりましたが、まだまだです。今は、次のさらなる目標に向かっていて、今年中にライフスタイルの小さい館を作る予定です。

自分の夢に、ビジョンに、理念にスタッフが共感共鳴をしてくれて、一緒に向かって行ってくれている事を実感できる事は幸せです。そしてM'S STYLEフアンの皆が、私の夢に乗ってくれると言う素敵な応援歌が聞こえる事への感謝。だからこそもっともっと、心もスタイルも含めたキラキラ輝くM'S STYLEの世界を広げたいなと思っています。

――どうもありがとうございました！