いよいよ今週末に迫ったUFC98『Evans vs Machida』。23日(土・現地時間)、無敗のチャンピオンに無敗のチャレンジャーが挑戦する、まさに最強決定戦が、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われる。

MMAキャリア19戦18勝1分の王者ラシャド・エヴァンズと、14戦14勝0敗の挑戦者リョート・マチダ。UFC戦績はそれぞれチャンピオンが8勝1分、チャレンジャーが6勝だ。

エヴァンズはデンジャーゾーン、グラジエイターチャレンジという米国ローカル団体での活躍から、TUFシーズン2出演機会を掴み、優勝を果たしたことでUFC契約選手となった。

対するリョートは、アントニオ猪木の愛弟子として、新日本プロレスが開いたプロレス&MMA混同イベント『アルティメット・クラッシュ』でデビュー。その後も、猪木&新日本ルートで母国ブラジルで行われたジャングル・ファイト、K-1系MMA大会を経て、WFAと契約を果たした。そのWFAが活動停止に追い込まれると同時に、彼のコントラクトをズッファが買い上げ、UFCファイターになっている。

キャリア2戦目のジャングル・ファイトでステファン・ボナーを下し、3戦目の猪木ボンバイエでリッチ・フランクリン、6戦目のHERO’Sで大増量したBJ・ペンという実力者から、殊勲の勝利を手にしているリョート。しかし、アントニオ猪木というオブラートがかかり、話題となるファイトが実力者を相手にした試合でなく、マイケル・マクドナルド、サム・グレコといったK-1ファイターだったことで、強いインパクトをMMAワールドで残すには至らなかった。

リョートの強さが浸透するきっかけとなったのは、MMAでなく、意外にも06年5月に行われたプロ・グラップリング大会――、LASUBであった。米国ブラジリアン柔術界の強豪ラファエル・ロバトJrを相手に、立ちレスリングで優勢に立ち、ガードからの仕掛けを防ぎ切り勝利を掴んだ。