2003年に芸能界デビュー後、2005年に出演した「ミュージカル テニスの王子様」の中で跡部景吾役を演じ、同作出演者の中でも特に高い女性人気を獲得した俳優・加藤和樹。2006年の「仮面ライダーカブト」(テレビ朝日)、2007年の「ホタルノヒカリ」(日本テレビ系)に出演したことでその名は一気に世に知れ渡る。また、2006年からは本格的に歌手活動を開始し、2008年4月は日本武道館で5,500人を動員するライブを成功させた。今回、加藤が出演する映画「恋極星」は心に傷を持ち、弟と2人でひっそりと生きているヒロイン柏木菜月(戸田恵梨香)が、幼馴染と再会し、献身的な愛を捧げるうちに、自らも笑顔を取り戻していくという静かなラブストーリー。加藤は、北海道の豊かな自然の中、幼馴染の颯太を好演した。「心の葛藤を表現するのに苦労した」と話す加藤の演技観、プライベートでの過ごし方などに迫った。

――この役をいただいた時の率直な感想を教えてください。

加藤和樹(以下、加藤):脚本を読んで、「この颯太って役は難しいな」って思ったのが最初の印象ですね。やはり、颯太のような運命と向き合っていくことが、自分には無い境遇なので。それを受け入れて生きていく者の葛藤だったりを表現するのが一番難しいなと思いました。

――その難しい役を演じる際に自分で工夫した点はありますか?

加藤:心情的なところですよね。颯太はなぜ、11年振りに菜月に会いに来たのかっていう。自分の運命をどう考えているのかとか、心の動きをけっこう意識して演じましたね。

――この作品は「君に光を」という漫画が原作ですよね。漫画のキャラクターという、ある意味イメージが決まっている役を演じることにプレッシャーは感じましたか?

加藤:特に無かったですね。原作は原作であるにせよ、これは自分なりのキャラクターを演じようと思ったのであんまりそこには囚われずに。

――女性カメラマンが監督ということで、普段の現場と異なった部分はありましたか?

加藤:AMIY さんは、本職がカメラマンってこともあって、画面の中の絵をすごく気にする方だったんですね。すごく細かい作業で。絵の中の小物だったりとか、そういうところにすごく気を遣って撮っていたので、それは今までには無い感じでしたね。

――私も拝見させていただいて、一瞬一瞬どこを切り取ってもキレイっていうか。

加藤:映像がすごくキレイですよね。監督がシーンごとに思い浮かべていた、ヴィジョンがハッキリと出ているなって思いました。