――撮影が進むにつれて、台本と違った形にシーンが変化したことは？
福田：ありましたね。基本的に台本を現場に持ち込むことがほとんどなくて、画コンテを見て監督の指示で全て動きました。だから、台本よりも増えた部分がいっぱいありますね。――三池監督はどんな印象でしたか？
福田：「まず、自分が楽しむ」という姿勢がすごく印象的で。カットがかかってないのに、大声で笑っていたりとかして。あの声、マイクに入ってないのかなって思うくらい（笑）。そうやって、自分が作り出す物を、自分がまず楽しんでやってるっていうのがすごくいいな、って。――特に苦労したシーンはありましたか？
福田：一番冒頭の"渋山"までのシーンで、直前にアクションの内容が変わったんですね。それを確認していたら、生瀬さんが「あぶない！」って言って、「なんだろう？」って思った瞬間、私の頭にクレーンカメラが当たってたんこぶができちゃったんですよ。その時は痛くて大変でしたね。でも残念ながら本編にはそのシーンは無いんです（笑）。せっかく、たんこぶまで作ったんだから流して欲しかったなって気持ちもありますね（笑）。――ハードな撮影の中、どうやって気分転換していましたか？
福田：すごくアイスを食べていた記憶があるんですよね（笑）。息抜きには必ずアイスクリームを食べていたような。撮影中は、ほこりまみれ、煙まみれになることが多かったんですよ。"渋山"のセットも実際に砂を飛ばすから、口の中にも結構入ってくるし。過酷な感じだったんですよね。きっと三池さんの作品の中では優しい方なんでしょうけど。――では完成した作品を観て、一番自信のあるシーンはありますか？
福田：ドクロストーンを探しに行く、"オジプト"でのシーンで、1号が2号をふりほどいてまで翔子ちゃんを助けるっていう場面での転び方にこだわりました。どれだけみじめに愛ちゃんがふりほどかれるかっていうのを考えて、実際にやったら結構痛かったんです（笑）。でんぐり返しみたいに、にぶい感じで転んでいるので。意外と愛ちゃんの切ないシーンがたくさんありますよね。そんな繊細な愛ちゃんの表情を意識しましたね。――愛ちゃんというキャラクターと自分は似ていると思いますか？
福田：えー、どうだろう。愛ちゃんはまっすぐで、1号についていく姿が可愛らしくて健気ですよね。私も、一途に思うところは似ているとは思っているんですけどね（笑）。
