――二千花は、音から映像が思い浮かんだり、想像をかき立てられるような楽曲を作られているなと感じるんですけど、「リバーズエッジ」のインストゥルメンタルを聴いた時に、幸せな世界をイメージしたんですよね。



宮本:うんうん、なんか優しい。

野村:うん。

――でも、歌詞を見ると冒頭から「ボクはいらない?」と始まるから、二千花らしいなって。

宮本:そうですよね(笑)。私も最初にデモを聴いた時、今まで一番っていうくらい、すごく優しいメロディーだなと思ったんですけど、それだけじゃない強い芯みたいなものを感じていて。優しくて気持ちいい感じだけじゃない曲にしたいというのがすごくあったので、歌詞にはそういう影みたいな部分を落としましたね。

――「頑張れ!」って直接的に背中を押すのではなく、「もっと弱く生きてみてください」という逆説的な歌詞も二千花らしいなと。

宮本:とにかく、自分の弱さとかを相手に分かってもらうのは、人間としてすごく美しいことだというのを言いたかったので。すごく熱い応援ソングとか、「頑張れ!頑張れ!」という曲にはしたくなかったですよね。もちろん、頑張って欲しいんですけど(笑)。でも、どちらかが上に立ってるとかでもないし、本当に一緒に同じ目線で、自分の弱さだったり、相手を受け入れたり、人間にしかできない行動というか。そういう根本的な所を忘れていたり、忙しくてできなかったりする人が多いんじゃないかな。そういう懐かしいものを表現したいなと。

――個人的な好みで言うと、ギターソロがすごく好きなんですけど、あれは簡単に録れるものなんですか?

宮本:よくぞ聞いてくれたね(笑)。

野村:ありがとうございます。あのギターソロは、すごく時間が掛かりました!(苦笑)。僕、家で録ったんですよ。実際いつの時代からなんだろう?90年代のグランジブーム以降って、ギターソロというパートがあまり無くなってません?いわゆるギターをリードでガッツリ弾くみたいな曲は、ブリティッシュの方でもあまり無いじゃないですか。多分、二千花の中でもギターソロはあまり弾いてないんですよ。それで、「A Happy New Day」の時に「たまには弾くか」と思って弾いたんですけど。今回もヴォーカルをレコーディングしている時ですら、あそこは空白だったじゃない?

宮本:うん、無かったので。

野村:だから、ミックスの日に初めて全員ギターソロを聴いているんですよ。オケはあるんですけど、ギターソロのパートだけが無いないまま、スタジオの作業も完パケみたいな感じだったので。それで、家で何本も弾いて、なんかメロウな方向にいくのがすごく嫌で、拍もズラしてみたり、上の方で弾いたヤツが急に下に来たり、そういうことをしているので、だいぶ広く音を使ってるんですけど。なんか嬉しいです!ギタリスト冥利に尽きます(笑)。