――歌詞の主人公は、自分ではない誰かを想像して書くことが多いですか?

たむらぱん:“自分”という感じではないつもりなんですけど、やっぱり切っ掛けは自分の中にあると思うんですよね。でも、自分がすごく分かりやすく出ちゃうと、聴いた人がすごく小さい範囲のイメージしかもてなくなったら嫌だなと思うので。自分が自分みたいな人を書いている、というイメージかもしれないですね。

――ミュージックビデオを観ていて、相変わらずと言うか、体を張っていますね。

たむらぱん:(笑)。すごかったですよ!撮影の日数とか時間自体も。撮影自体は、半日くらいで撮って。沖縄で撮ったんですけど、初めてだったんですよ!でも、ファミリーマートとほっかほっか亭でしたね…(笑)。上陸した時に、ブログで「ご飯食べます」と言って、ファミマの写真を撮ったんです(笑)。やっぱりすごく暑くて、浮き輪をはめてゴロゴロと、結構駆け回っているじゃないですか。でも、あれをやっている近くに、遠足か何かで来ていた地元の中学生とかがすごくたくさんいて、本当に恥ずかしかったですね(笑)。でも、もうここまで来たら、それもちょっと快感みたいな!慣れてきちゃって(笑)。

――どこかMな気質もあるんですかね?

たむらぱん:そうですね。だからあんなに(笑)。

――吹っ切れた感じが。

たむらぱん:最近は結構「ダメ」と言われるまで、やったりしますね。「もういいよ」って(笑)。

――「それはちょっと、出来ません」とか言ったことは?

たむらぱん:基本的に、言わないですねー(笑)。

――今までに、やって辛かったことは?

たむらぱん:意外と踊るとか走るとかいう動きよりも、その場を足踏みで歩いているような雰囲気を出すとかの方が大変でしたね。ちょっと小技がいるようなのは、プロフェッショナルにならないと難しいなって。勢いでごまかせるのは大丈夫ですね(笑)。

――2曲目の「きみとぼく」は結婚式で聴きたい曲ですが、この主人公もまた自分とは違うキャラクターですか?

たむらぱん:これはモデルになった友達のカップルがいて。その二人がすごく雰囲気が良いというか、付き合いたてなのに、もう何十年も連れ添った老後の夫婦みたいな雰囲気で。その巡り合わせがすごいなーと思ったのもあって、なんとなくその二人をイメージしつつ。

 恋愛って、相手に確認も取っていないようなこととか、相手の気持ちも関係無く、自分で色々とグルグル考えるじゃないですか。「約束をしよう」と言いつつ「守れないかも」みたいに、お互いに「絶対だね!」と言いつつ、そこに“絶対”は無いような感じとか、恋愛って結構そういう感じだと思うんですよ。でも曲では、「守れないかもしれないけど」と言っているぐらいの関係がまたいいね、という雰囲気も出してはいるんですけど。取り留めの無い約束ごととか、未来の保証とかをつらつらと書いてる感じですね。

――意識されていないのかもしれませんが、全体的には明るい曲調でも、どこかに心の闇というか、影を感じる部分がありますね。

たむらぱん:そうかも!曲の最後も、男の子側は「君と僕は最高」と言っているけど、自分で勝手に「最高」と言っちゃって、相手は分からないじゃないですか(笑)。そういう所が恋愛の怖さだな、みたいな。