今季の成績によって来季FP枠を得たのは、1位イングランドと上位7か国抽選で選ばれたドイツ、デンマークだった。各国協会は自国のリポート結果に従ってFP枠出場チームを決定する。
 マンチェスター・Cはプレミア・リーグで9位に終わったが、国内フェアプレー成績では6位だった。上位5チームがすでにCLまたはUEFA杯出場権を得ていたため、現在タイ・ツアーに勤しんでいるマンCへ朗報が転がりこんだ。
 各国のシーズンを通したフェアプレー度を測る成績は、毎年UEFA杯決勝戦の前に発表される。来季のFP枠を得たドイツでのフェアプレー・ランク1位だったヘルタ・ベルリンは、ブンデスリーガで10位だったものの晴れて参戦権を得た。

 欧州圏内でこういった類の(文明度を問われるような)ランキングがなされるとき、圧倒的な強さを見せるのが北欧諸国である。今季のフェアプレー度国別ランキングでも、FP枠選考対象となる上位7か国にノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランドが名を連ねた(残りはドイツ、フランス、スペイン)。

 仮に、選手の態度やクラブの運営がよくても、観客の成熟度まで査定されるため否応なくその都市、その国の社会生活水準が浮き彫りにされる。最近、日本でも浦和-G大阪戦でサポーターによる衝突事件があったようだが、チーム同士の因縁だけでなく大きな社会不安を背景にしながら多発する欧州各国のそれとはやはり意味合いがちがう。実弾入り拳銃携行の機動隊が毎週百人単位で警戒する国の人間にとって、Jリーグは奇跡に見えるだろう。