――ジャケットで着られている衣装や、PVの中でも何パターンか衣装が変わりますが、MEGさんの方から「こういうのが着たい」とリクエストされたんですか?

MEG:「こういうトーンのビデオにしたい」というのを伝えたら、監督が「そうしたらこういう色の衣装をたくさん着せて…」と言ってくれたから、「それいいな!」という感じで決まりました。7パターンぐらい着替えて撮ったんですけど、面白かったです。ファッションショーみたいな所を歩くんですけど、普段あまりショーに出たりしないので、ウォーキングみたいなものは習ったことがなくて、なんとなく「みんなこうやっているのかな?」という感じでやっているという…(笑)。3パターンの人が出てきて並んでいても、それぞれキャラクターによって、「こういう服を着ている人は、きっとこういう感じかな」とか、やっていると何となくつかめるというか。結構その時は考えないでやっているんですけど、出来上がってみると割とキャラクター分けが出来ていて面白いなぁと思ったので、その辺も「MAGIC」というか、「MIRACLE」ですね(笑)。

――巨大なハート、カクテルと来て、今回はハットでしたね。

MEG:前回の「OK」の、シングルの第2弾なので、並べて置けるようなアイテムにしたくて。だから黒バックとロゴは決まっていて。逆に、マジシャンというのが、このテーマとはほぼ関係無いんですけど、そっちに寄せた方が面白いなと思って。それでコスチュームもそういうフォーマルなものを崩した感じで合わせて。本当は、この帽子は合成でもできるんですけど、合成だと写真にした時にこのリアルな質感が出ないんですよ。だからどうしても作り物じゃないとダメだったし、鳩が飛んでいるんですけど、「MAGICといえば鳩でしょ!」みたいな感じで(笑)。この白、黒、赤、ピンクという配置を出すためにも、どうしても鳩が必要だった。

――「OK」の時もそうでしたが、今回もパッケージにはこだわりましたか?

MEG:アーティスト写真になっているパターンと、結局このジャケット写真になったパターンの2つで最後まですごく悩んでいて。センターに立つか、左に寄せるかの違いなんですけど。

――MEGさんが隠れるぐらいの巨大ハットと、MEGさんの全身と、鳩も飛ばして、ロゴも入れてって、レイアウトが大変だったろうなと…。

MEG:そうなんですよね、これねぇー(笑)。「並べた時に」というのを考えると、こうなるんですよね、難しいですけど。でも、鳩と文字のバランスとか、全体を考えるとこれがいいかなぁーって。

――カメラマンの田島一成さんは、過去の作品一覧を見ていても、「あぁ、この並びは分かるなぁー」という方でしたね。

MEG:田島さんは背中で語る男ですよ(笑)。無口で、私もほぼ会話をしていないんですけど、もうサクサクと仕事をして、セレクトをして、「じゃっ」って帰っていく人ですね。かっこいいんですよ。

――PVにはリウさんがチラッと出てきましたが、MEGさんたっての希望で入れたかったんですか?

MEG:「一応、こういう子達も控えていますけど」という風に、監督にはプレゼンをして。「まぁ、機会があったら…」と言われたんですけど、ああいう登場シーンを考えてくれたみたいで。ネコ達はアレのために朝早くから入って緊張していましたよ(笑)。出来上がってみて、やっぱり監督はさすがだなと思って。今回の撮影も面白かったです。

――撮影現場は楽しそうですね。

MEG:楽しかったです。あれだけ色々なことをやっているんですけど、一日で全部撮れたりして。ブランコとかを作ったり、すごく色々な人が協力してくれたから、限られた時間内に満足がいく制作が出来たんだなぁと思います。ジャケットも楽しいんですけど、やっぱりビデオは音楽と視覚的な要素が一番混じる所だから面白い。「メジャーレーベルに移って、何ができるから嬉しいか?」といったら、「ビデオが作れるから嬉しい」と思ったのが最初にあったから(笑)。