トッテナムのFWディミタール・ベルバトフが、改めて今オフの移籍を否定した。プレミア初参戦となった昨シーズン、いきなり22ゴールを記録したブルガリア代表は、今夏の移籍マーケットで注目を集め、マンチェスター・ユナイテッドをはじめとするビッグクラブが獲得に興味を示していた。

 しかし、ベルバトフの頭には、トッテナム残留以外の選択肢はないようだ。それ以上に、昨夏1090万ポンド(約26億7000万円)の移籍金を支払って、イングランドへ呼び寄せてくれたスパーズに、「これ以上ないくらい感謝している」と語るベルバトフ。移籍に全く興味を示さないこのブルガリア代表FWは、自らに設定されている4000万ポンド(約98億円)の移籍金額について「アブノーマル」だと語った。

「昨夏、スパーズは僕を獲得するために『1100万ポンド(約27億円)までなら支払う』と言ってくれた。その時僕はこう言ったんだ。『正気ですか?』ってね。それが、今じゃ僕の移籍金は4000万ポンドだって言うじゃないか…。まったくアブノーマルな金額だよ。そもそも矛盾があるよね。だって、僕はレバークーゼン時代の方が多くゴールを決めていたし、プレー内容も良かったはずだ。まぁ、それでもそんな高い値段がつくほどじゃないけど。イングランドのサッカー界で働く人たちは、どうやら僕とは違う世界を生きているようだね。マンUの話について、僕が言えるのは『スパーズでとても満足している』ってことだけ。それ以上に、僕はプレミアでプレーするチャンスをくれたスパーズに感謝しているんだ」

 今オフの移籍マーケットで注目の的となりながらも、終始謙虚な姿勢を崩さないベルバトフは、トッテナムで骨を埋める覚悟の様子。恩義を重んじるブルガリア人の残留を確実にしたスパーズは、イングランド代表FWダレン・ベントも獲得し、今やリーグ随一の破壊力を誇るFW陣を形成。来シーズンのプレミアでは、攻撃サッカーで4強の牙城を崩すスパーズの姿が見られるかもしれない。