06年7月9日、ドイツW杯でイタリアが24年振り4度目の優勝を飾ってからちょうど1年。イタリアは伝統の“カテナチオ(錠前=堅守)”を世界中に再アピールしてワールドカップ獲得に成功。最後方から常にチームを支え、現在世界最高GKと称されるジャンルイージ・ブッフォン(29=ユベントス)が、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューに応じている。(インタビュアー、ファビオ・リカリ記者)

――リッピ(前イタリア代表監督)が“SPORTWEEK”(毎週土曜日にガゼッタ・デッロ・スポルト紙の付録雑誌として発行)上で「ブッフォンは特別な存在だ。寝ている時ですら」との発言をしているが?

「それは大袈裟だけど(笑)、お互いが刺激し合える良い関係だ」

――リッピとは良く連絡を取っているのか?

「最近では、初夏の頃だったかな。色々な事を話すけど、カルチョの話題は少ないよ。年齢は気にせずに友達感覚で話し合っているよ」

――リッピがユーベ(ユベントス)の監督になっていた可能性もあったが?

「確かに。ただ彼は将来についてどのように振舞うべきかを知っているし、ラニエリ(ディディエ・デシャン監督退団後に就任)に対して必要以上にプレッシャーを与えることはないしね」

――ラニエリ新監督のことは知っていたか?

「確かな人物だ、との印象を抱くだけで十分だろう。彼はビッグクラブを率いた経験もあるし、彼がユーベの新陳代謝を促して、今後は彼自身の色に染めていくことだろう」

――07−08季は厳しいシーズンとなるかな?

「そうかもしれないが、最も感動的なシーズンになるかもしれない。周囲は“ゼロの年”(スキャンダルによるペナルティも終了し、各クラブがゼロからのスタートを切ることから)と言っているが。歴史を再構築する準備は出来ている」

――あなたは退団する可能性もあったがユーベに残留した。ユーベの象徴が残ったわけだが?

「クラブの象徴(スター選手)は条件が整い次第、クラブに残るものだ。例えば自分が模範としているマルディーニ(ACミランDF)のように。仮にACミランがセリエBでの生活を3シーズン余儀なくされるならば、マルディーニもクラブを去るだろう」

――という事は?

「スター選手に対しては、耐えられない状況を作らないことが重要。明確なプロジェクトを提示するなどが求められる」

――正直に答えて欲しいのだが、来シーズンのユーベはどの位置に辿り着けるかな?

「つい先日までは4位と位置付けていたが…。終盤に追い上げを見せての4位ならば良いが、優勝争いの末に脱落しての4位では意味がない」

――来シーズンの順位予想は?

「インテル、ACミラン、ASローマときて、そしてラツィオ、ユーベ、フィオレンティーナが並ぶかな」

――ACミランが高齢化しているとは思わないか?

「確かにここ数年同じ顔ぶれが揃っているが、皆(優勝を飾った)チャンピオンズ・リーグにも顔を出している」