しかしレンヌの暫定3位が続いたのもわずか19分間だった。3年連続のCL出場権を逃したリールが意地を見せ、ロスタイムにフリーキックからのヘディングで同点ゴール。レンヌにとって史上初となるCL出場の夢は土壇場で打ち砕かれた。クラブ史上最高位の4位でシーズンを終え、UEFA杯の出場権を獲得したレンヌだが、“残り1分”を持ちこたえられなかった選手の表情は沈鬱だった。

 レンヌがやり切れない思いを味わう原因はもうひとつある。20年ぶりのCL出場権を手にしたトゥールーズが、前節のナントと“引き分けた”試合で勝ち点3を得ているためだ。正確にはこの試合、0―0で迎えた後半43分にナントの2部降格に不満を爆発させたサポーターがピッチになだれ込んだため中断され、その後も再開されなかった。試合結果について24日にプロサッカー連盟(LFP)の規律委員会が裁定を下し、ビジターチームのトゥールーズに勝ち点3が与えられることになった。最終戦の前には、CL出場権を争うレンヌが、ボルドー、ランスとともに裁定に激しく抗議していた。

 “引き分けで勝ち点3”を獲得したトゥールーズがCL出場権を手にしたのだから、土壇場でそれを逃したレンヌにとっては何とも後味が悪いはずだ。いったん下された規律委員会の裁定が覆ることはほぼあり得ないが、CLに出られるか出られないかでクラブの収入や今後の運営に大きな違いが出ることは確か。レンヌのド・サンセルナン会長が試合後、ラジオのRMC局に語ったところでは、民事裁判所に異議申し立てを行なうことも検討しているという。