今月8日のスポーツ報知とデイリースポーツの1面を羽生結弦が飾った。

【写真11枚】セクシーな衣装で胸元があらわに…現役時代の「羽生結弦」

 1面以外にも30歳の誕生日に行われたアイスショーの模様をカラーで詳報し、デイリーに至っては見開きを使ったポスターサイズの写真まで掲載。普段は巨人、阪神の“機関紙”で鳴らす両紙だが、さながら羽生の広報紙と化した。

現役選手は隅に押しやられ……

 全国紙記者によると、

「この日はフィギュアスケート『グランプリファイナル』の真っ最中で、女子フリーなどが行われましたが、 それらの記事は隅に押しやられていました」

 NHK杯など世界各地で行われた大会の優勝者らが集い世界一を決める大一番。そこで日本勢は、女子6人中5人、男子6人中2人を占め、ペアに“りくりゅう”も参戦、と史上最強というべき布陣で臨んだ。

羽生結弦浅田真央

 結果は、男女ペアとも1位は外国勢に譲るも、男女の各2位3位、ペアの2位は確保。女子ジュニアでは表彰台を独占するなど健闘した。しかし、それら全ての記事を合わせても、“羽生誕生日”の紙幅の10分の1にも満たなかった。

 ちなみに先月は、浅田真央の名を冠したスケートリンクがオープン。それを1面で報じる新聞があった一方、同時期に行われ、日本勢が6個ものメダルを獲得したNHK杯は通常枠での報道にとどまった。

“落差”の理由

 この落差は何なのか。

「嫌な言い方になりますが、“売れ行き”に尽きますね」

 と先の記者が苦笑する。

「実力ある現役選手が増えたのは確かですが、売れ行きにつながらない。カリスマ性がないんです。羽生の写真を掲載する際、それが白黒だったり、折り目がついていたりすると、読者からクレームが来るんですが、今の選手にそれほど熱狂的なファンはついていません。アンチもいないですけどね」

 そういえば、彼が一線を退く際に〈引退〉と書いたスポーツ紙が不買運動を起こされたこともあった。

「ですから、使う言葉にも細心の注意を払っています」

「週刊新潮」2024年12月19日号 掲載