高校を卒業して、大学へは進学せずに就職を検討している方もいるでしょう。その際に、高校卒業の場合の平均年収がどれくらいなのか気になるかもしれません。近年は少子高齢化にともない、若手人材を積極的に採用する企業も増えているようです。 そこで今回は、高校新卒者の平均年収や求人動向について解説します。

高校新卒者の平均年収

総務省が公表している令和5年(2023年)の賃金構造基本統計調査によると、高校新卒者の平均年収は表1の通りです。なお、平均年収は給与月額の12ヶ月分とし、ボーナスを含まないものとします。
表1

給与月額(男女計) 平均年収 10~99人 18万5300円 222万3600円 100~999人 18万7000円 224万4000円 1000人以上 18万7400円 224万8800円 企業規模計 18万6800円 224万1600円

総務省統計局「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
高校新卒者の平均年収は220万円程度となっており、企業規模による年収差はあまりないことが分かります。ただし、1年目からボーナスが支給される会社もあるため、ボーナスを含めば記載の平均年収を超える可能性もあるでしょう。
 

高校新卒者の求人傾向

近年、高校新卒者の求人の見直しを行っている企業も多くなっているようです。ここでは、高校新卒者の求人傾向を解説します。
 

企業側が高校新卒者の採用を積極的に行っている

株式会社ジンジブの高校新卒採用に関する企業動向調査によると、高校新卒者の採用を積極的に行っている理由として最も多いのは「若手人材の層を厚くするため」とされており、次いで「人材不足のため」となっています。これらの背景には、少子高齢化にともなう若年層の採用に苦戦していることが考えられるでしょう。
採用を強化するために、求人票やホームページ、採用パンフレットなどの整備にくわえて、採用動画や企業公式SNSなどの高校生に関心の高いツールの使用なども行われているようです。
また、高校新卒者が安心して長く働けるように、これまでの働き方を見直す動きも行われているようです。例えば、残業時間の削減や休暇取得の促進、福利厚生の充実などがあげられます。
 

高校新卒者の初任給の賃上げが行われている

同調査によると、約6割以上の企業が2024年入社の高校新卒者の初任給の賃上げを行ったと回答しています。
また、どのくらいの賃上げを行ったかについては、以下のような回答が得られています。

●999円以下:2.5%
●1000~2999円:12.6%
●3000~4999円:15.4%
●5000~9999円:30.5%
●1万~1万4999円:19.3%
●1万5000円~1万9999円:5.6%
●2万~2万4999円:3.9%
●2万5000円~2万9999円:2.1%
●3万~3万9999円:1.1%
●4万~4万9999円:1.1%
●5万円以上:0.4%

最も割合が多いのは、5000~9999円で約3割となっており、今後も高校新卒者の初任給の賃上げは行っていく意向を示している企業が多いようです。
 

高校新卒者の平均年収は220万円程度

総務省のデータによると高校新卒者の平均年収は220万円程度となっています。しかし、これにはボーナスが含まれていません。新卒1年目からでもボーナスが支給される場合もあるため、ボーナスを含めば平均年収を超える方もいるでしょう。
また、近年は少子高齢化にともなう若手人材不足が問題視されており、企業側でも高校新卒者の採用活動を積極的に行っているようです。
今後も初任給の賃上げや働き方改善が行われていく可能性があるため、高校新卒者の採用動向には注目です。
 

出典

e-Stat 政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査
株式会社ジンジブ 高校新卒採用に関する企業動向調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー