節目の勝利は、ダイヤの輝き――。ボートレース尼崎の「G1尼崎ダイヤモンドカップ」は15日、第12Rで優勝戦を行い、宮地元輝(38=佐賀)が“節イチパワー”を駆使して1周2マーク差しで勝利。通算1000勝を2回目のG1優勝で飾り、今年の獲得賞金ランクは8位に浮上した。イン先行した黒井達矢は2着、3着には定松勇樹が入った。なお、今節の売上額は60億4408万7100円で目標の60億円をクリアした。
宮地が気迫のコンマ08で踏み込んだ瞬間、スタンドは沸きに沸いた。「みんな来んのかい、行けるぞみたいな感じでした。勘よりちょっと届いているんで、一番いいヤツです」。イン黒井が先に回り、宮地の差しはブイを外した。「ターンマーク2個ぐらいもらしています。定(定松)ゴメンやね。だいぶ前やけど、こっからでも追いつこうと」。1周2マークの差しで宮地が黒井を捉え、スタンドのボルテージは最高潮に達した。
相棒10号機の調整は「ここ何年かで一番順調に進んでいました」と節イチ級。ところが予選ラスト6着でトップ通過を逃した。「王道Vしてみたかったんですよ。危なげない、堅い走りを。こういうヤツなんですよ僕は」。それでも心を折ることなく「限界まで勝負しました。師匠(冨成謙児)の教えを守って、体重が重いなら握って出足でカバーしろと。全部スピードで、スピードで、スピードでやってきました。良かった」と会心の勝利を振り返った。
優勝賞金1100万円などを加算して年間獲得額が9400万円を超え、賞金ランクは8位に浮上。「欲が出ちゃいますね。38歳、まだキャリアアップができそうな感じがします」。年末の大一番へ向け「(黄金のヘルメットを)かぶりたいです。(尼崎は)相性が凄い。九州を出て、ここが地元って感じ。尼でG1初優出、この前もSG(6月30日のグランドチャンピオン)2等でした。お客さんが一緒に盛り上がってくれるのは、もの凄くうれしくて自分自身も盛り上がっています」とファンの大声援に感謝で応えた。
◇宮地 元輝(みやち・もとき)1986年(昭61)11月9日生まれ、佐賀県出身の38歳。100期生として2007年6月13日、若松で初出走。13年1月15日のびわこで初優勝。22年9月12日の福岡69周年記念でG1初優勝。22年12月18日の大村グランプリシリーズでSG初優勝。通算140優出35V、G1は9優出2V、SG4優出1V。尼崎Vは16年8月7日以来2回目。同期は川野芽唯、桐生順平、和田兼輔、平高奈菜ら。1メートル69、血液型A。