矢野経済研究所は、国内のヘアケア市場を調査し、カテゴリー別の市場動向、参入企業の動向、また、将来展望を明らかにした。その結果、2023年度のヘアケア市場規模は前年度比101.5%の5245億5000万円に達した。外出機会が増えることでヘアケア意識が高まり、発毛・育毛剤市場とヘアケア剤市場が好調に推移している。
2023年度のヘアケア市場規模(4分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比101.5%の5245億5000万円となった。消費者の外出機会が増えることでヘアケア意識が高まり、高単価化が進んだヘアケア剤市場や一般品流通が増加した発毛・育毛剤市場が好調に推移した。一方、新規需要が一巡した植毛市場、毛髪業市場はほぼ横ばいにとどまる結果となった。
今後のヘアケア市場全体では、リスク要因としては人口減少、人材不足、為替相場の変動などによる原材料費高騰等が挙げられる。一方、定年年齢の延長やアクティブシニアの増加によりヘアケア関連商品・サービスの使用期間が長期化しており、消費者のLTV(顧客生涯価値)が伸長する見込みで、ポジティブな要因もある。
また、薄毛に悩んでいるが対策をしていない人は多く、薄毛を気にする20〜30代の需要の取り込みが期待される。そうしたことから、ヘアケア市場のプロモーションはウェブ中心に変化しており、ネット広告やSNS、YouTubeチャンネル開設などの情報発信に注目が集まっている。
[調査要綱]
調査期間:8月〜10月
調査対象:ヘアケア市場参入企業、その他関連団体、業界団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e−mailによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]16万5000円(税込)
矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp