子育てをしていると、「自分の子だけ周りの子とちょっと違うかもしれない」と不安に思うことってありませんか? 今回はそんな不安を感じた経験のある筆者の知人のお話です。
友達は異性だけ
私は小学生の息子を育てている主婦です。息子は華奢で少し中性的な雰囲気があります。
そんな息子の友達は昔からほぼ女子でした。幼稚園の頃からお人形ごっこやブロックで遊ぶことを好んでいた息子。その頃はまだ幼かったこともあり、特に違和感は感じていませんでした。
母の本心
しかし、小学生になっても友人関係は変わらず、女子とばかり遊ぶ日々。2年生になってもなかなか男子と遊ぼうとしないので、私は「この子大丈夫なのかしら?」と少し心配をするようになっていきました。
そこで私は息子に「お外で近所の男の子たちと遊んで来たら? みんなサッカーしているよ」と声をかけることにしたのです。すると「えっ、どうして? 行かなきゃダメ?」と渋る息子。
私はモヤモヤして「いいから行ってきな」と強引に男子たちと遊ぶように促しました。当時はどうしても同性の輪に息子を入れたかったのです。
その後「うん、分かった」と言って外に出かけていくものの、すぐに帰ってきてしまうという日々が続きました。
男子を避けていた理由
それから時が経ち、息子は小学5年生になりました。最近は家で1人で過ごすことが多い息子に、私が「最近、外遊びしないね」と不安を口にします。すると、息子が震えた声でこう言ったのです。
「昔から男子と遊ぶと『弱っちい』ってイジメられるから関わりたくない」
息子は前述の通り身体が細く、運動もあまりしません。そのことで、昔から男子にバカにされていたと言うのです。
私は息子の悩みに全く気付いてあげられていませんでした。息子が女子と遊んでいたのは、男子と関わるのを避けるためだったなんて……。
「それに俺は外で遊ぶより、物を作ったり絵を描いたりすることが好きなんだ。そういうのが好きなのって女子の方が多いから趣味が合う。それじゃダメなの?」
息子にとって大事なこと
私は一方的に自分の価値観だけを押し付けていたことに反省しました。息子にとって一番大事なのは安心できる居場所と、趣味を共有できる友人だったと気付いたのです。
それ以降、息子の遊び相手に口出しするのは止め、男女関係なく自由に遊ばせています。以前より息子の顔が明るくなり、毎日がとても楽しそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。