離脱者が相次ぐCB陣の中で、存在感を高めていく構えだ。日本代表DF瀬古歩夢(グラスホッパー)は10月シリーズに続いての連続招集。DF谷口彰悟(シントトロイデン)の負傷で3バックの顔ぶれが変わる中、「彰悟くんがケガをしたことはチームとして痛いけど、そのぶん自分たちがアピールできるチャンスもある。自分はこういったチャンスをものにしないと今後生き残っていけない。すごく楽しみな2連戦になる」と前向きに意気込んだ。

 瀬古は10月シリーズで1年4か月ぶりの代表復帰を果たしたが、サウジアラビアとオーストラリアとの2連戦で出番はなし。いずれの試合も谷口、板倉滉、町田浩樹の3バックが揃ってフル出場しており、序列の中に食い込むことはできなかった。だが、今回は谷口がアキレス腱断裂のため不在。これまでもDF冨安健洋、伊藤洋輝といった主力陣が離脱していた中、またしても3バックの顔ぶれが変わることが確定している。

「誰もが来たくて来られるという場所じゃない。争いがある中で勝っていかないといけない。ここに来られていることは光栄で、その上で誰が出てもいいサッカーをするのが今のこのチームのいいところだと思うので、チャンスをうかがいつつ、良い準備をしたい」(瀬古)

 10月シリーズは悔しい形で終わったが、自身の出場機会で一喜一憂するつもりはない。「もちろん試合に出られたら嬉しいし、出られなかったら悔しいけど、チームで試合に出続けてこうしてチャンスをもらえた。試合に出場できればどんどん自分の良さを出してアピールしていきたいし、出ない場合もアピールしてこのチームのために頑張りたいと思っている」。冷静に出番をうかがっていくつもりだ。

 瀬古は2018年、U-19日本代表の一員としてジャカルタでのAFC U-19選手権を経験。試合当日は7万人を超える大観衆の来場が見込まれる中、過去の経験は一つのアドバンテージとなるはずだ。「完全アウェーという形での試合になると思うけど、僕たちはサッカー選手をやっている以上、そういったスタジアムでやれるのは光栄。パワーに変えて挑んでいければ」。キャリアの岐路とも言えるアウェー2連戦。非日常の環境も力に変え、代表定着への足掛かりとするつもりだ。

(取材・文 竹内達也)