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高速道路で圧倒的に多いタイヤのトラブル
タイヤは、クルマが唯一道路と接触している“部品”だ。そのタイヤがパンク・バーストすれば、クルマは制御不能になり、大事故に発展する可能性もある。
NEXCOの統計を見ると、高速道路での故障原因の大半(約40%)はタイヤ破損が占めている。タイヤが高速走行中にトラブルを起こす原因は多岐にわたるが、ここでは主な原因3つと、その防止策について紹介する。
令和4年(2022年)における高速道路での故障原因内訳。画像=NEXCO東日本
タイヤ破損の主な原因と、トラブル防止策
まずは「タイヤの摩耗」。タイヤは主にゴムでできていて、走れば走るほど摩耗し、限界を超えればパンクしてしまう。特に、高速走行ではタイヤの負荷も大きく、摩耗して耐久性が低下しているとバーストする危険もある。
タイヤの摩耗を原因としたトラブルを防ぐためには、タイヤの溝が十分に残っているかを点検したい。タイヤには「スリップサイン」と呼ばれる、残りの溝の深さ「1.6mm」を示す目印がある。タイヤの使用限度は残り溝の深さが1.6mm以上と法令で定められているので、スリップサインに近い、もしくは到達しているようならタイヤを交換しよう。
写真中央の三角マークはスリップサインの位置を示す目印。頂点の延長線上にスリップサインが設けられている。(c) n.s.d - stock.adobe.com
次に「タイヤの空気圧不足」だ。タイヤは空気圧が低すぎると、衝撃や車両の重さによって大きく変形しやすくなる。高速走行時には、その変形が連続して起こることでタイヤが波打つ「スタンディングウェーブ現象」が起こり、この状態で走行を続けた場合、タイヤが加熱して、最終的にバーストする恐れがある。
これを防ぐため、タイヤは正常でも徐々に空気が減ってしまうので、少なくとも月に1回はエアチェックをしたい。空気圧は車種ごとに規定値が設定されていて、運転席のドア付近か給油口に表示されているので確認してみよう。
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最後は「落下物」だ。道路には「釘やガラス片」、「木材や鉄製品などの工事用資材」などの落下物があるケースも。このような落下物を高速で踏むと、タイヤへの損傷も大きくなりやすく、一気に空気が抜けてしまう可能性もある。
高速走行中に落下物を認知・回避することは非常に難しいが、落下物があった場合に備えて、隣の車線などの退避できるスペースを常に意識しておくなど、万が一のための状況把握をしながら運転することは必要だろう。
さらに、自分が荷物を運ぶ側のドライバーであるなら、荷物を落下させないように確実に固定することでトラブルを引き起こさないようにしたい。
高速道路上でのタイヤ破損は、一般道路に比べて走行速度が速いため、重大な事故に発展する可能性が高い。しかし、タイヤ摩耗や空気圧不足など、日々の点検で回避できるトラブルも多い。日頃からタイヤの状態を確認し、異常があれば故障する前に整備することを勧めたい。
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