電気は財物! 勝手に使うと窃盗になる可能性がある
まず知っておくべきことは、電気も法律上「財物」として扱われるという点です。刑法第235条(窃盗)では「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する」と規定されています。そして、刑法第245条では「この章の罪については、電気は財物とみなす」と明記されており、電気の無断使用も窃盗として扱われる可能性があるのです。
実際、2007年に「大阪府松原市のコンビニエンスストアのコンセントを使って携帯電話を充電していたとして、中学生2人が窃盗容疑で書類送検される」という事例も発生しています。
当時は昨今とは違い、お店のコンセントを客が使うことが当たり前の時代ではなかったというのもありますが、わずかな電気の使用でも窃盗とみなされたことが社会的な話題となったようです。
電気も無断で使用することは窃盗に該当する可能性があるため、お店のコンセントを勝手に使うのはリスクが伴う行為であるといえるでしょう。
コンセントを使わせてくれるのはあくまでもお店の善意(サービス)
最近では、客に電源を提供することをサービスの一環として取り入れているカフェやファミリーレストランは珍しくありません。あらかじめ電源利用を許可している場合は、スマホやパソコンの充電など、自由にコンセントを使えます。
しかし、全てのお店がこのようなサービスを提供しているわけではありません。特に、清掃や店内の設備管理のために使われるコンセントは、お店の運営にとって必要なものです。
コンセントを使用できるかどうかは、お店の判断に委ねられており、「使ってはいけない」と言われた場合はそれに従わなければなりません。コンセントを使わせてくれるのは当たり前ではなく、お店の善意(サービス)であると理解することが重要です。
コンセントを使う場合は許可をとり使えないと言われたら従おう
急にスマホの充電が切れそうになり、どうしても充電が必要な場合は、まずお店のスタッフに確認することが最善です。許可を得て使用することで、お店とのトラブルを防げます。
また、コンセントの使用を断られた場合は、その指示に従わなければなりません。お店にはそのお店なりの事情があり、電力供給が限られていたり、設備を維持するためにコンセントを必要としていたりするケースもあるからです。
スマホの充電1回にかかる電気代は1円未満と言われていますが、それでも電気を勝手に使うことは窃盗に該当します。あくまでも電気は他人のものであるという認識を持つことが大切です。
全てのお店で充電ができるわけではありません。電源が切れて困らないよう、スマホの充電は外出前に済ませておく、モバイルバッテリーを持っておくなど、できる限りの準備をしておくと良いでしょう。
出典
e-Gov法令検索 刑法
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士