GPシリーズ第4戦・NHK杯
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯は9日、東京・代々木第一体育館で女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(シスメックス)がともに今季世界最高の152.95点、合計231.88点で優勝。ほぼノーミスで滑り切ると、喜びを爆発させた。演技の中で唯一の“落とし穴”に「え、ちょっと待って」と焦ったことも明かしている。
フリーは「かなりハードなプログラム」と本人も口にするように、息もつかせぬ演技構成の「シカゴ」。独特の緊張感を打ち破るかのように、ジャンプ、ステップ、スピンとエネルギー満点の滑りを見せた。ほぼノーミスの演技。「前半からぶっ飛ばしていこうと思って。気負わず攻めの態勢で行けたのがよかった」。キス・アンド・クライでは卒倒するかと思わせるほどのリアクションも見せた。
ただ、唯一の“落とし穴”には焦ったようだ。スピンを決め、あとはフィニッシュだけ。ニースライドで、体勢を崩し、よろけた。それでも何とか持ち堪え、安堵の笑顔を見せるとリンクに突っ伏した。
「前後開脚のような形で、足を開いて引き寄せる時に、前の足のかかとがいつもならスッとエッジに戻るところが『ガガガガッ!』っていっちゃって。『よっしゃ!』という気持ちの時にそうなって、『え、ちょっと待って、最後にこけるの?』という感じ(笑)。何とか耐えられてよかった」
圧巻の演技だったが、中野園子コーチは「体力が持たなかったんだと思います。まだ体の締まり具合が足らない」「良くなってきているけど、全日本に向けて、もうひと絞りできると思います」と世界女王に敢えて注文。伝え聞いた坂本は「恐ろしい……(笑)。怖いけど、ひたすらしがみつきます。頑張ります」と語った。
(THE ANSWER編集部)