福岡市を拠点とし活動するアイドルグループHKT48のメンバーとして2016年より活動し、2年前に卒業した宮粼想乃。今年10月30日には初写真集『その魔法が解けても…』(双葉社)が発売。東京、沖縄、福岡、さらには故郷の佐賀とさまざまなロケーションの中で彼女は一体何を思ったのか、宮粼想乃が振り返る。(前後編の後編)

【写真】待望の初写真集を発売した宮粼想乃の撮りおろしカット【4点】

 待望のファースト写真集出版が決まったというのに、なぜか不安に襲われたという宮粼想乃。その想いの裏にはなにがあったのか?

「自信がない、とかじゃないんですよ。アイドルを卒業してから、もうすぐ2年も経つし、今、私が写真集を出しても、興味を持ってくれる人がいるんだろうか?って。

 でも、その不安は撮影がはじまった瞬間に吹っ飛んじゃいました(笑)。もう撮影が楽しくて、楽しくて! 今回の写真集ではカッコよく決めていたり、大人っぽい表情をしている写真がたくさんあるんですけど、どのショットも3秒前まで笑っていましたからね、アハハハ。これはたまたまなんですけど、スタッフさんのほとんどがいままでにお仕事をしたことがある方ばかりで、はじめましての方が少なかったんですよ。それもあってリラックスして臨めたし、本当にスタッフさんに助けられた一冊ですね」

 撮影のメインは沖縄ロケ。天気に恵まれ、ちょっとびっくりするような風景にも遭遇できたが(それは写真集のカバーを外すとわかります。かなり感動的、かも)、それだけでは終わらず、生まれ故郷の佐賀、そしてアイドル時代を過ごした福岡でも撮影を敢行。ファースト写真集にして、24歳の誕生日に出版される作品にふさわしい、これまでの人生と現在の美貌がすべて詰まった構成となっている。

「地元での撮影はもう“違和感”だらけでしたね。子供のころ、お父さんもお母さんも休みの日には私を車でいろんなところに連れていってくれていたんですよ。だから、今回、撮影スポットに到着するたびに『ちょっと待って、私、小さいころ、ここに来たことがあるんだけど!』って(笑)。移動するたびに、その繰り返しだったので、写真集でこんなことある?ってなりましたね。

 基本的に今回の写真集では素の私が出ていると思うんですけど、佐賀で撮った写真はより“素の表情”になっていると思います。知っている場所、行ったことがある場所ばかりだから。そういう表情の変化も楽しんでもらいたいです」

 写真集のタイトルは『その魔法が解けても…』。自分の名前である「その(想乃)」が入っているのも、またメモリアル要素になるが、魔法というワードも趣深い。

 アイドルというのは常に魔法がかかっているようなもの。しかもグループアイドルとなれば、大人のメンバーが小学生や中学生と一緒にステージに立ってパフォーマンスをする。普通の学校や会社では、まずありえないシチュエーションであり、まさしく魔法にかかったような日々が続いている。その魔法が解けて、宮粼想乃はどう変わったのか?

「外面的なところはぜひ写真集で確認してください(笑)。ただ、内面的な部分はアイドルのときとほとんど変わっていないと思います。というか、私、反抗期真っ盛りのタイミングでアイドルになっちゃったから、グループで活動していく中で大きく変わっていったんですよね。お母さんには『本当に丸くなったよね』って言われます(笑)。

 そうやってアイドル時代に大きく変わっていったので、卒業したときと今とでは、あんまり違いはないのかなって思うんですけど、いちばん変わったのは、こうやって自分のことを客観的に見ることができるようになったことかな? 自分の性格を把握した上で、自分を律することができるようになったというか、ほかの人に自分のことを説明できるようになりました。ひとことで説明するのは難しいんですけど(苦笑)、そうだなぁ〜、宮粼想乃の『取扱説明書』を私、書くことができます!」