かい:コメントは公開される前にいったん僕らが確認できるようになっているので、基本は僕がすべてチェックして、ひどいコメントは非公開にしています。僕自身は気にしないし、鋼のメンタルですから(笑)。でも、InstergramのDMは振り分けするのが難しいので、えみの目にも入ってしまうみたいです。YouTubeの話に戻るんですけど、21歳差で人を好きになるのが「障害」だというひどいコメントもありました。

えみ:めちゃくちゃ腹が立って、初めてYouTubeに報告したんです。動画「【年の差夫婦】抱えきれなくなったので公開します」でも紹介したら、反響がたくさんありました。私たちに対する誹謗中傷ならまだしも、障害を持っている方々に対して、失礼すぎるじゃないですか。

動画のコメント欄では、障害を持つの当事者の方からの賛同や、年の差婚をされている方から「代わりに言ってくださり、ありがとうございました」というコメントもありましたし、たくさんの方が支持してくださっているんだと改めて思いました。

◆年の差にとらわれず「普通の夫婦」と思われるように

――さまざまな反響も集まるYouTubeチャンネルですが、今後の展望はありますか?

えみ:チャンネル名は「若埜ん家(わかのんち)」で、じつは、いつか「年の差」を意識せずに見られたいという思いから、表向きに年の差夫婦をうたっていないんです。動画のサムネイルでも最近は上にちょこっと「21歳差夫婦」と添える程度で。いずれは「年の差があったんや」と、自然と気づいてもらえるのが理想です。チャンネルをはじめてから、自分たちを知ってもらうために年の差があるカップルや夫婦としての体験を発信し続けてきましたけど、素直に普通の夫婦として、みなさんに周知していただけるならうれしいです。

かい:年の差があっても「夫婦として、何も変わったところはないでしょ」と思われたいのは一緒ですね。今の時代は、昔の常識みたいなものはなくなりつつあるでしょうけど、完璧ではないし、夫婦としてどうあるべきかの概念を、僕らのチャンネルを通して覆したいと思っています。

えみ:最近では、年の差があるカップルや夫婦だけではなく、その親御さんからも相談をいただくようになったんです。実際「息子が20歳も年の離れた女性と付き合っていて、賛成できない私は心が狭いのでしょうか」という悩みもありました。

その方には「息子さんの相手の方とお会いしてみるのはどうでしょう」とアドバイスして、「幸せな息子さんを応援していただけるなら、私もうれしいです」と一言添えたんです。当事者だけではなく、周囲のみなさんにも「こんな家庭があるのなら、応援できるかも」となってくれるならうれしいですね。

かい:女性が年齢が上の年の差恋愛って、僕みたいに男性側から好きになるパターンが多いみたいなんですよね。でも、いざ恋愛に発展しても不安になってしまうのは女性で、その理由は、男性が愛情を伝えきれていないからだと思うんです。だから、男性側の立場としては人並み以上に、相手への愛情を思いっきり伝えてほしいです。

<取材・文/カネコシュウヘイ>