退職後、元同僚たちからも転職の相談が相次いだ。
「LINEで10人くらいから『実は転職を考えている』と相談がありました。話を聞いてみると、『お前の会社で採用してもらえないか』『転職サイトに登録しても、書類選考でなかなか通らない』という話が多かったです。みんな辞めたがっているけれど、その先のキャリアを切り拓くのはなかなか難しいのだと実感しました」
◆退職金は2000万円超え。家や車のローンも通りやすいが…
一方、消防士として働く上での大きな魅力として「約2000万円の退職金」と「社会的な信頼度」がある。
退職金は退職理由や勤続年数、退職時の給与などによって決まる。Aさんの上司たちは、定年退職でほとんど2000万円以上を受け取っていたという。公務員という信頼性のおかげで、家や車のローンも組みやすいというメリットもある。ただ、消費者金融も通りやすいので、多額の借金を抱えてしまうケースも。
「消防士の仕事はやりがいがありますが、将来の経済的な不安はつきまといます。副業に対するルールが少しでも柔軟になれば、モチベーションを保って働けるかもしれませんね」とAさんは語った。
<取材・文/橋本岬>
【橋本 岬】
IT企業の広報兼フリーライター。元レースクイーン。よく書くテーマはキャリアや女性の働き方など。好きなお酒はレモンサワーです
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