「当然、昔のように助手席というわけにはいきませんが、後部座席はカーテンをすれば見えなくなるので、そこにA美を乗せていました。でもA美が僕の注意も聞かず、荷下ろしのときに後部座席から顔を出すこともあったのでバレてしまいました」

 そんなことがあっても、竹林さんはA美さんのことを嫌いになれず、とうとう周囲の反対を押し切って再婚。ところがA美さんは結婚すると同時に竹林さんの通帳や印鑑を管理し、散財するようになる。

◆籍を入れた途端、態度が豹変

「付き合っていたときは、いっしょに住んでいたマンションをキレイに片付けて手料理も作ってくれました。お弁当だって毎日のように作ってくれたのに、籍が入った途端、そういう献身的なことは一切なし。態度も豹変しました」

 竹林さんが稼いだお金を堅実に貯金していた元妻とは対照的に、A美さんはパートもせず、家事も一切しない。竹林さんがダメだと言っているのに仕事についてきては、サービスエリアなどでご当地グルメやご当地グッズを買い漁り散財し放題。

「A美は、元妻が残してくれた僕と2人の貯金を湯水のように使い続けています。僕は再婚から1年も経たず、元妻のありがたみを痛感しました。でも周囲に相談しようとしても、『どうせ、最終的にはノロケだろ』『離婚前に忠告しただろ』と相手にしてもらえません」

◆「自業自得ですが、地獄です」

 A美さんに「離婚したい」と伝えても、「離婚はしない。またキャバ嬢に戻るとか無理」の一点張り。それでも、引き落とし手続きや新規で口座を作るといった手続きも面倒くさく、そのままにしているという竹林さん。

「貯金がなくならないうちに口座を変更し、弁護士にでも相談したいと考えています。ただ、手続きなどはいままですべて元妻がやってくれていたので、こんなに面倒なものだとは思わず、何からどうしたらいいのか迷っているというのが現状。自業自得ですが、地獄です」

 いまになって自分のしたことを後悔しまくっているという竹林さんだが、時間はもう戻らない。また、日頃から当たり前のように受けている恩恵には気づきにくいもの。周囲の忠告やアドバイスに耳を傾けながら、自分の現状をよく把握して判断したいものだ。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5