第1ステージでは海運、鉄鋼、商社が上昇しましたが、この3業種はかなり上昇しましたから、投資家としては新しいテーマ、銘柄が欲しいところです。

 足元でやや円高のため、内需関連で株価がそれほど上がっておらず、業績がよくなりそうな企業が注目されます。食品、外食、医療、建設、不動産など内需、消費関連が該当します。

 また、年末に向かって為替がどうなるかですが、足元で専門家の見方は分かれます。私は一定のゾーンで、株で言う「保ち合い」の状態になるのではと見ています。140~150円のゾーンで140円がフロア(床)、150円が壁です。

 今後は、FRBの利下げで日米の金利差がさらに縮まる可能性があるため、円高局面はあるかもしれませんが、その一方で円売り、ドル買いの動きもあると思います。なぜなら、2200兆円にもなった日本の個人金融資産の、ごく一部でも半導体関連の米エヌビディアの株を買ったり、ニューヨークダウ連動のインデックスファンドを買ったりという動きが、まさに円売り、ドル買いだからです。

 日本の個人投資家の資金は、日本株にも入ってきますが、米国株やドル建ての資産にも多く流れると思います。その理由は、経済成長という面では米国は世界で断トツだからです。日本にも経済成長の芽はありますが、米国とは比較になりません。

 一時的に、米大統領選を前に株価は調整するかもしれませんが、中長期的に米国株の上昇は続くと見ています。経済政策に必ずしも精通はしていなかったジョー・バイデン大統領の任期中も株高が続いたことは、その表れです。

 もう1つ、米国では世界で断トツの技術革新が起きています。米国の経済成長と技術革新を買う動きは、日本からだけでなく世界中から出るでしょう。

 また、今後ますます地政学リスクが高まることが予想されますが、これも円売りにつながります。日本を取り巻く環境は厳しさを増しています。中東の戦火は拡大する方向にありますし、ロシア・ウクライナ戦争も簡単には終わりません。戦争・インフレの拡大などから今後も円安傾向は続くと見ています。