10月11日、イトーヨーカドーのホームページに「【重要】ネットスーパーお届けサービス終了に関わるお知らせ」と題されたコメントがアップされた。そこに記されたのは、《イトーヨーカドーネットスーパーは2025年2月12日(水)をもって営業を終了させていただくこととなりました》といった文が……。
「イトーヨーカドーは、高齢者や子育て中の人、仕事の都合で買い物に出向けない人などのために、スーパーに陳列している商品等を配達する同サービスを、2001年にスタートさせていました。現在では19都道府県でサービスを提供しています。
24時間注文可能で、当日注文当日届けのほか、7日後までの注文も受け付けて、配送料は110円から330円。利便性はかなり高かったと思います。
2023年8月には横浜市で専用の大型センターを稼働させるなどしましたが、事業収益化の見通しが立たず、区切りをつけることになったようです」(経済担当記者)
この報道にXには感謝の言葉や、衝撃の様子が数多く投稿されていた。
《大雪の時には買い物もなかなか出られないので、そんな時でも持って来てくれて本当に便利でした》
《クルマを運転できなくなったら使おうと思っていたので大打撃です》
《コロナで10日間の自宅待機の時にホントお世話になったので、この撤退も残念》
《えーっ!めちゃくちゃ困る…愛用してるのに》
こうした声はセブン&アイにも届いているようで、広報に聞くと「サービス終了については残念というお声を複数いただいております。また一部のお客様からは、感謝の言葉もちょうだいしております」と回答があった。
昨今、カナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール」からの7兆円の買収提案が報じられていたセブン&アイ・ホールディングス。経営の重荷になっていたイトーヨーカドーを分離させる計画を前倒して防衛するなど、同社を取り巻く環境は風雲急を告げている。
今回のネットスーパー撤退もタイミング的にその一環なのかと想像してしまうが……。この疑念を広報にぶつけると、「ネットスーパーのサービス終了の意思決定は、今般の事業再編とは関係ございません」と否定した。
一方、イトーヨーカドーは全国で33店舗を閉店することを明らかにしている。地方では、買い物に困ることが心配されるが、ネットスーパーに代わるサービスの提供はあるのだろうか。
「現在イトーヨーカドー80店舗で提供している『OniGo』のサービスをご案内しております。また、新たなお届け事業の再構築に向けた検討も開始しております」(広報)
「OniGo」は、専用のWebサイトやアプリから店頭の食品や日用品を最短20分で配達するシステムで、外部のデリバリー会社と提携している。また、セブンーイレブンでは店舗商品を宅配する「7NOW」も提供している。
食品スーパーは社会のライフラインでもある。生活者が困らないサービスの提供をぜひともお願いしたい。