総裁選で投票する麻生太郎氏(写真・JMPA)

 10月1日に発足した石破茂内閣。直後に報道各社がおこなった世論調査では、毎日新聞は「支持する」が46%、「支持しない」が37%。共同通信社はそれぞれ50.7%、28.9%。朝日新聞は46%、30%など、極めて厳しい滑り出しとなった。

「納得と共感内閣」と命名した石破首相。3日夜には、「政権発足時としては高くないということは真摯に受け止めていかねばならない」と記者団に神妙な面持ちで語った。一方、懸案だった派閥裏金事件で処分を受けた議員を、10月27日におこなわれる衆院選挙で公認することを決定すると、石破首相周辺議員からは「支持率はさらに落ちそうだ」と心配する声があがっていた。

「今回の決定では、公認するだけでなく、小選挙区で破れても復活当選の可能性が残る、比例代表との重複立候補も認めています。『政治とカネの問題』が主要なテーマになる今回の選挙なのに、まるで有権者の気持ちを逆撫でするような措置に驚きました」(自民党議員秘書)

 そうしたなか、麻生氏の動向にも注目が集まっている。石破首相と距離を置き、9月27日の総裁選では挨拶のために登壇した石破首相を無視、30日に開催された総務会では党最高顧問に指名されながら集合写真撮影を拒否して退室していると溝は深そうだが……。世論調査の結果などに危機感を持ったのか、3日の麻生派会合で、「(衆院選に向けて)結束して戦い、党の議席を守っていこう」と呼びかける場面があったと報じられている。

「さすがに『この状況はまずい』と思ったのでしょう。新政権発足の『ご祝儀支持率』の勢いで選挙戦に入りたかったものの、目算が狂いました。麻生氏はさらに『いろいろなことがあったが、新総裁が決まったからには、党は日本のために力を発揮していかねばならない』と、私怨を捨てる考えを示しました」(政治担当記者)

 これまでは新総裁をたびたび“拒絶”してきたというのに、選挙が視界に入ると途端に掌返し……。この麻生氏の発言に、Xには冷ややかな声が上がっている。

《麻生最高顧問が呼びかけても結束しなそうで心配》

《あんたが言うなの代表例》

《日本最大級の「おまいう」》

《急にどうした?》

《説得力は全然無しだろ!》

 麻生氏の号令一下、自民党は結束できるだろうか。