12月にJFAが来年度の計画を発表する場で正式決定していることを目指す

 日本サッカー協会(JFA)は10月4日、パリ五輪の戦いを終え監督が決定していなかったなでしこジャパン(日本女子代表)について、10月26日に韓国女子代表と行う国際親善試合でJFA女子委員長の佐々木則夫氏が監督代行を務めると発表した。

 現状での次期監督選考についても言及している。

 佐々木委員長は2008年から16年までなでしこジャパンの監督を務め、08年北京五輪で4位、12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得。11年の女子ワールドカップ(W杯)では日本を初優勝に導いた。また、コーチングスタッフには先日のU-20女子W杯で監督を務めた狩野倫久氏や、男子アンダー世代の代表チームでロールモデルコーチを務めた元日本代表DF内田篤人氏らが名を連ねた。

 8月にパリ五輪の戦いを終えて池田太監督の退任が決まったが、次期監督の選考が続いていた。JFAの宮本恒靖会長は9月15日にWEリーグの開幕戦を視察した際、10月26日の韓国戦までに監督を決定するかどうかの質問に対して「そこにちゃんとした人がいる状態が必ずしも大切だとは思っていない」と応じていた。佐々木委員長は9月いっぱいで決定しなかったことから、韓国戦を代行監督で戦うことに切り替えて準備を進める決断をしたと話した。

 現状での監督選考について佐々木委員長は、日本人、外国人を問わず、さらに女子の指導経験の有無についても「(女子での)経験があって優秀な方ならそれは良いが、最初から絞りすぎると狭まってしまう」として、広く人選を進めているとした。そして、12月にJFAが来年度の計画を発表する場で正式決定していることを目指し、それが叶わない場合は来年2月に予定されるシービリーブズ・カップが目処になるとした。

 女子サッカーの国際的なスケジュールは、4年に1回行われる五輪の前年に女子W杯があることから3年と1年が組み合わせのサイクルになるため、佐々木委員長は「4年間を任せられる方が理想。そういった意味でも簡単にいかない」としたが、それだけに「次の大きな目標までには時間がある」とも話した。

 韓国戦でのメンバー選考では国内、海外でプレーする選手とも「コンディションが万全な選手」という基準を設けるほか、コーチングスタッフも含め「もっとアグレッシブに、守備も含めこうあるべきではないかというものを選手、代表スタッフにも共有してアプローチしたい」と、なでしこジャパン全体にとって今後の指針になるものを示す戦いにしたいと話した。

 佐々木委員長の下には「特に海外の方が多かった」と、外国人指導者からのアプローチもありヒアリングも進めているとして、「なでしこジャパンが監督を探しているとエージェントも確認している」という現状も話した。もし外国人監督が率いることになれば、なでしこジャパンにとっては初のことになるが、まずは栄光のW杯優勝を知る佐々木委員長が監督代行を務める形で2028年ロサンゼルス五輪へ向けた4年間のスタートを切る。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)