打率の期待値XBAは.320、首位打者アラエスより8厘も上回る

 ドジャース大谷翔平投手は5日(日本時間6日)から自身初のポストシーズンに臨む。移籍1年目の今季は54本塁打、130打点でリーグ2冠。打率.310も自己最高で3冠王を狙える好成績を挙げた。昨季までと何が変わったのか。MLB公式サイトの「ベースボール・サヴァント」で大谷の豪快な打撃を紐解いた。

 シーズン終盤はリーグ2冠を独走したが、今季残した打撃内容は圧倒的だ。平均打球速度95.8マイル(約154.2キロ)、最高打球速度119.2マイル(約191.8キロ)は共に自己最高。特に平均打球速度は昨季94.4マイル(約151.9キロ)から1.4マイル(約2.3キロ)も速くなっている。右肘のリハビリ中に打球速度を上げるとは……。

 長打になりやすい打球角度と打球速度を示すバレルゾーンはリーグ断トツの103球(リーグ2位はブレーブス・オズナの68球)。打数のうちバレルゾーンに入った打球の割合を示すバレル率21.5%もリーグトップで、昨季から1.9%アップさせている。

 打率の期待値を示すXBA.320はリーグトップ。首位打者のパドレス・アラエス(XBA.312)を上回る高数値で、シフトがなければ3冠王を獲得できたということになる。打球速度95マイル以上の打球割合を示すハードヒット率60.1%もリーグトップ。昨季54.2%から大幅にアップさせている。いかに確実にコンタクトして速い打球を飛ばしているかが分かる。

 打球の内容にも変化が見て取れる。自身初の本塁打王を獲得した昨季はゴロ42.6%、フライ30.3%、ライナー性22.7%だったが、今季はゴロ36.3%、フライ31.3%、ライナー性26.9%に。ゴロの打球が減り、フライとライナー性の打球を増やしている。

 大谷にとっては初のポストシーズン。「ここから先はシーズン中に積み上げた成績や数字は意味がない。調子を維持して、気持ちを切らさずにいきたい」と語っている。進化を遂げた打撃で悲願のワールドシリーズ制覇へ挑むことになる。(小谷真弥 / Masaya Kotani)